「毒親(どくおや)」とは、子どもに悪影響を及ぼしたり、子どもが厄介に感じる親のこと。過干渉やネグレクト、暴力や暴言など、心身の健康や命に関わることもあり、社会問題にもなっています。そんな毒親…特に「毒母」を持つ妻と結婚した夫たちが、妻に起こった〝異変〟を語ってくれました。

 

自尊心が崩壊した妻を気遣う日々(大輔さん/36/会社員)

 

妻の母親は娘に無関心で、結婚式にも出席しなかったような毒親です。それは孫が生まれてからも変わらず、自分の孫なのに「ガキ」と呼び、いまだかわいがる様子もありません。そんな親に育てられたとは思えないほど、妻は謙虚で控えめな女性でした。でもそれは表向きの姿…妻の本当の姿を、僕は後に知ることになるんです。 ことの発端は、初めて夫婦喧嘩をしたときのことでした。きっかけは些細なものでしたが、そのとき彼女がとっさに包丁を取り、自分の首に押し当てたんです。「私なんか死んだほうがいい!」と、耳を疑う言葉が彼女の口から出てきました。

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彼女は僕の妻であり息子の母親です、死んだほうがいいわけなんてありません。その場はなんとか収めましたが、それ以来彼女はことあるたびに「自分は死んだほうがいい」と口にするようになりました。 僕が分からなかっただけで、毒親の毒は思っていたより深く、彼女に影響を与えていたんです。それを知ってからというもの、「自分の言動が彼女の自尊心を傷つけてしまわないか」を、常に考えながら生活するようになりました。職場より気を遣う家庭…正直、ちょっと限界です。