「従うべき基準」の緩和にはどんなメリット・デメリットがある?


学童保育の運営にあたり、厚生労働省は「従うべき基準」というものを定めています。例えば1つの教室には職員が2人以上、うち1人は様々な条件を満たした「放課後児童支援員」でなければなりません。今回の緩和策では児童数が少ない場合、職員1人と緊急時に駆けつけられる1人といった配置に変更。また支援員になる条件を緩める案も浮上しています。

 

一教室あたりの人数は「おおむね40人以下」が基本的な単位。「従うべき基準」は一部例外を除けば人数に関係なく守らなければならないものなので、児童が数人程度の場合でも職員は2人必要でした。そのため職員の数を再調整すれば待機児童を減らせる可能性もありますが、一部では「学童保育の運営側が人員削減の大義名分を得るだけでは?」と疑問を呈す声も。

 

また現場を知る人からは、「単純に職員の負担が増えるだけになりそう」「そもそも“児童数が少ない場合”の明確な判断が難しい問題。結局39人までは1人でOKとかなったら大変だし」「まずは給料を増やすべきでは?」「学童保育が利用できず、働けない主婦は確かにいる。本当に待機児童が減らせるなら素晴らしいと思う」「今は共働き世帯が主流だし、学童保育まで待機児童が問題になってるのはおかしな話だよね」など様々な意見が出ていました。

 

ちなみに基準が見直されるとしたら施行以来初めてのこと。まだ検討段階なので、正式に決定するまではもう少し時間がかかりそうです。