日本人のおよそ1割しかいない“左利き”。そのため文房具や改札など、世の中のほとんどのものが右利き用に作られているのが現状です。どうしても不便を強いられがちな左利きですが、もし我が子が“左利き”だったらどのような対策を練りますか?
子どもの左利きに悩む母親の心情とは
とある主婦は、もうすぐ2歳になる子どもの利き手についてお悩み中。どうやら利き手が左手のようで、スプーンを持つ手やお絵描き、指差し、物を持つ際にも左手を使うそうです。昔と比べて左利きでも生活しやすくなっているとはいえ、今後の学校生活ではもっと苦労するかもと心配を拭いきれないようす。
実際に彼女の旦那さんは、左利きによって色々と苦労したそうです。無理に左利きを矯正しようとした際には、左右を咄嗟に判断できなくなる“左右盲”にまでなってしまったとのこと。そういった経緯から子どもの利き手を矯正するつもりはないものの、「左利きのお子さんを持つ方は、何か対策していますか」「親ができることは他に何かあるのでしょうか」と藁にもすがる思いで心の内を語っています。
左利きは問題ないという声が多数。両手を使い分けている子も
彼女の相談について、最も多かったのが“左利きでも問題ない”という意見。ネット上では、「左利きですが、生活に支障はそこまでないですよ。改札くらいなら右で通れますし」「うちの子どもも左利きだけど、本人は何の不便もなく生活できてるみたい。なので特に対策や矯正はしていません」「知り合いの左利きの人に『無理に右利きにさせなくてもなんとかなる』って言われたのもあって、子どもの利き手は自然に任せています」などの声が多く上がっていました。
中には“右手も使えるようにした方がいい”という意見もあり、「息子は箸と鉛筆は左手、バスケやキャッチボールは右手って感じで使い分けてるよ」「私も左利きだけど、右手が全然使えなくて困ることが多々ある。少しでも両手を使えた方が、生活は便利だと思う」といったアドバイスも多く寄せられています。
さらに同じ左利きの子どもを持つ先輩ママからは、「特に教えたわけでもないのに、自然と両利きになってました」「特に矯正もせず放っておいたら、字を書く時だけ右利きに。文字の書き順って左から右になっているから、右の方が便利なんだって」「左利きの娘曰く、右ではさみを使っていたら自然に右手で切れるようになってたらしい」などの実体験もチラホラ見られました。
右利きには分からない左利きが感じる“不便さ”
左利きというと“日常生活が不便”というマイナスな印象がある反面、「芸術肌」「天才」「秀才」といったプラスなイメージも。では実際に左利きの人たちは、自分の利き手についてどのようなメリット・デメリットを感じているのでしょうか。
ゼブラ株式会社は、全国の左利き104名にアンケートを実施。まず「左利きで良かったこと」について尋ねてみたところ、第1位には「個性的と思われる(38%)」、第2位には「スポーツで有利(33%)」、第3位には「センス良さそうに見える(25%)」がランクインしました。他にも少数派の意見には、「頭が良さそうに見える」「左利きというだけで目立つ」「羨ましがられる」「電話しながらメモがとれる」などの利点が挙がっています。
いっぽう逆に「左利きで困ったこと」について調べてみると、第1位には「はさみやカッターが使いにくい(58%)」、第2位には「食事で左隣の人と腕がぶつかる(43%)」、3位以降には「お玉やスプーンがすくいづらい」「自動改札がタッチしにくい」「ペンで手書きしにくい」「急須でお茶が入れづらい」「蛍光ペンをまっすぐ引けない」といった欠点が選ばれました。
右利きの人にはわからない、左利きならではの利点や欠点が日常生活の中にはあるようです。
文/内田裕子