「重たい話」をしに来た女性の正体は(綾さん/35/事務員)

 

ある日のこと、旦那が仕事で留守のときに、ひとりの女性が訪ねてきました。インターホン越しに応答すると、彼女は旦那の件で私に言いたいことがあるというのです。ドアを開けると、そこにはほっそりとしたきれいな20代半ばの女性が立っていました。

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緊張した面持ちで深々とお辞儀をするそのしぐさに、「なにか重たい話をしに来たんだ」と理解した私は彼女を家に招き入れました。 「浮気なんだろうな…」そう思っていた私の不安は、彼女の第一声でかき消されました。


「言いにくいんですが、旦那さんにつきまとわれていて…」「は!?」 一瞬、頭が真っ白になりました。彼女の話を聞くと、なんと数か月前から旦那にストーカーされており「家までついてこられたこともある」と言うではありませんか。毎日のようにメールや電話、手紙まで送られてきたとのこと。困った彼女は、なんとか自宅を調べて、私に相談にきたとのことでした。彼女が持参したストーカーの証拠の数々は、目を覆いたくなるようなものばかり。たしかに手紙の文字は旦那のものでした。 「大袈裟にしたくない」という彼女の好意に感謝し、「旦那には私から話す」という約束をして彼女を帰しました。その日の夜、証拠を突きつけられ土下座しながら謝る旦那を見て、心底悲しくなりました…本当にバカな男です。