1992年に芸能界入りした同期で、互いにパパでもある田中直樹さんと藤井 隆さん。プライベートでも仲がいいおふたりがこの夏、子どもたちから絶大な人気を誇る映画『劇場版 仮面ライダービルド Be The One(ビー・ザ・ワン)/快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film(アン・フィルム)』にゲスト出演することに。気になる舞台裏について、話をうかがってきました!
家庭で、会社で…日々、奮闘する、すべての“ヒーロ”に捧ぐ
── 今回、子どもたちの憧れであるヒーロー映画にご出演するにあたり、役作りで工夫されたことはありますか?田中さんは『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』でイケメン名探偵エルロック・シャルメという役柄ですよね?
田中さん:まさに、そのイケメン名探偵という設定が難しかったです。なぜならぼくはイケメンじゃないし、今まで演じたことがなかったから。
藤井さん:ちょっといいですか。ぼくはすごくイケメンだと思うんですよ。逆にいうと、エルロック・ショルメという役を、ほかに誰ができるかなって思いますし。実際に、扮装した映像を見ても、すごくしっくりきました。
田中さん:え、ちょっと…。
藤井さん:ぼくの母も兄も「田中くんは本当にいい顔立ちだね」と。
田中さん:あの…藤井くんはいつもぼくのことをほめてくれるんで、それは本当にありがたいんですけど。まさかぼくの役名まで覚えてくれているとは…。驚きとともに気持ち悪さを覚えました(笑)。まあでも、新たな役柄を演じられたという経験も含め、現場はとても楽しかったです。
── 名演技、楽しみにしています。藤井さんは『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』で郷原光臣を演じる際に、苦労されたことはありましたか?
藤井さん:ぼくは西都の都知事という役柄をやらせていただいたんですが、セリフが関西弁でってことになって。台本は標準語だったんですが。
── ということは、素のままで?
藤井さん:いやいや、実はその逆で。ぼくは大阪でも北摂の育ち。みなさんがイメージされる「○○したるで〜!」みたいな関西弁とは少し違うんで、そこは苦労しました。監督の意図としては、短いセンテンスで印象に残るように、言葉のイントネーションを関西弁にしたかったそうです。
弱音やグチもあるけど、それをのみこむのが大人のヒーロー
── ちなみに、ヒーロー映画にご出演されるにおふたりですが、ご自身にとって“ヒーロー”とはどんな存在でしたか?田中さんは小さいころからスーパー戦隊のファンだったとうかがいましたが。
田中さん:そうですね。『秘密戦隊ゴレンジャー』や『バトルフィーバーJ』を観ていましたから、子どものころは、やっぱり速くて、強い人がかっこよく見えました。でも、大人になってからは、そこに精神的なものが加わると思うんです。ヒーローだって吐き出したいグチや、聞いてほしい弱音がたくさんあるはず。それをグッとのみこんで、人のためにがんばれる人がヒーローなんじゃないかと。
── お子さんや後輩の芸人の方に対して、ご自身がそんなヒーローに近づきたいと思ったことは?
田中さん:うーん…。それは考えたことがなかったですね。若いころは「こうなりたい」って思っていたはずなんですけど。大人になるにつれて、そういう気持ちがなくなってきたのかもしれないです。もちろん、日々何かを積み重ねていこうとは思っていますよ。ぼくも芸人になりたてのころには、先輩方にいろいろと相談をさせてもらって、そのときにいただいた言葉に何度も救われましたから。今度は逆に、自分が後輩に頼られることがあれば、何か力になりたいと思いますし。それを重ねて、あとで振り返ったときに〝ああ、こんなところにいるな〟と。それでいいのかなと思っています。
── でも、実際のヒーローも目の前のことの積み重ねですもんね。そういう意味では、田中さんご自身も日々戦っているからこその言葉なのかもしれませんね。
ナイスガイでいるためにも、自分を大事にしたい
── 藤井さんはいかがですか?
藤井さん:ぼくは7つ上の兄と、9つ上のいとこのお兄ちゃん、10個上のいとこのお姉ちゃんがいるんですけど、その3人がいつも集まっては何かを企むというか。主導権を握っていたんです、ぼくの文化面の。カメラや舞台、音楽だと大貫妙子さんやEPOさんなど、いろいろ教えてもらって。同級生とは話が合わないような感性が磨かれたと思います。しかも、今こうやって仕事に活かせているという意味でも、あの3人のヒーローとヒロインには感謝ですね。
── 影響を与える側になった今、藤井さんはなりたいヒーロー像ってありますか?
藤井さん:気まぐれで飽き性なので、自己プロデュースができきれていなんですが、できるだけナイスガイでいたいですね。でも同時に、自分が快適でないと、人にやさしくできないことがわかって。外っ面がいいので、よく自分の気持ちを押し殺して「どうぞ〜」ってやっちゃうんですけど、結局破綻するので。それはよくないなと。仕事の現場でもお互いの意見が衝突しそうになったら、きちんと自分の意見は伝えようと。そうじゃないと、相手の意見だって、きちんと受け入れることなんてできないですからね。
── ありのままの自分を知って等身大の自分でいることも、ヒーローには必要なのかもしれませんね。
人の心が詰まった作品だからこそ、劇場の大きなスクリーンで
── 最後に今回の映画の見所を教えてください。
藤井さん:現場では監督が何度も撮り直しをして、現場の全員がそれに応えようと必死に取り組んでいました。そういった人の手、人の心が詰まった作品だということを感じていただければと思います。
田中さん:スーパー戦隊シリーズに出演されている俳優さんは、ママからも大人気ですが、実はカメラの裏側でも、ものすごくナイスガイだったということをつけ加えて、このインタビューを終われればと思います。
藤井さん:田中さんが今、ナイスガイと言われたのは、ぼくの先ほどの発言からの引用ですよね?
田中さん:あれ!?無意識やったわ。わざわざ言わんでええやん!
田中直樹さん
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑いコンビ、ココリコのボケ担当。俳優としても活躍。2児のパパ。『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』では、謎のイケメン名探偵のエルロック・ショルメを演じる。
藤井 隆さん
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑い芸人、歌手、俳優。バラエティー番組やドラマ、映画など幅広く活躍している。1児のパパ。『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』では、郷原光臣役として出演。
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取材・文/三上順司 撮影/田中利幸 スタイリスト/奥田ひろ子 衣装協力(藤井 隆さん)/WHO'S WHO gallery