個人・団体等の動向の一例
一方で「日本の文化の良さを、きちんと子供達や海外の方に正しく伝えたい」と活動されている個人の方や、団体の方々もいらっしゃいます。確かに平成の世では「家屋に和室が無い」「洋菓子に慣れた子供達が和菓子を喜ばない」等、暮らしの中の古き良き日本文化・風習が廃れつつある傾向にあります。そういう状況を危惧した方々が、様々な手法で日本文化を正しく伝える為の活動をされています。 私は数年前まで茶道を習っていた影響で、自宅でも時々子供の為に小豆餡を煮たり、簡単な和菓子を作ったりしますが、“落雁”は作った事が無かったので、先日『落雁と季節の会』主催の落雁作りワークショップに参加して、和文化の良さを改めて認識してきました。 『落雁と季節の会』は、着物スタイリストの鳴海彩詠さんと、イラストレーターの石橋富士子さん(通称ペタコさん)のお二方が、“落雁作りを通じて日本の季節や形などを伝えていきたい”と運営されている会です。 私が参加したワークショップでは、落雁作りはもちろんの事、落雁の歴史や桐箱を使った“お包み”の仕方を学び、最後に落雁を頂きながら鳴海さんのお点前により抹茶を頂いて、日本の良き文化をたっぷり堪能して素晴らしいひと時を過ごす事が出来ました。
「ワークショップ会場の“一欅庵”」
「自作の落雁で作った“お針箱”」
「鳴海さんのお点前」
落雁は、基本的に『材料を混ぜ合わせて、型に入れて抜く』というシンプルな作り方のお菓子ですが、洋菓子で利用する小麦粉に対して落雁に使う寒梅粉(もち米の粉)は手触りが全然違うのと、材料の配合を変えると型抜きの加減が変わってきたりして、なかなか興味深い内容でした。 今回のワークショップでは、落雁でお裁縫道具(糸巻、ハサミ、待ち針と針山)の形を作り、桐箱に入れて可愛いお針箱を作りました。更に桐箱を、昔ながらの和紙と“こより”で包む方法も教わりました。 こういう昔から日本に存在している文化を改めて学ぶと、新鮮な驚きがあるのと同時に「この技術を自分の子供や是非海外の方達にも伝えたいな」と意欲も湧きます。海外の方のおもてなしには、ある程度の語学力も必要ですが、こういう日本独特の奥ゆかしい文化を、きちんと正確に伝えられる知識も確実に身に付けておくと、おもてなしの幅もぐっと広がるのではないかと思います。 主催者のお一人、鳴海さんにお話を伺うと、「親から子供に伝わるべき日本の古き良き伝統や習慣を、親がきちんと知っていないと子供に教えられないし、廃れてしまう。もっと多くの方に日本文化の良さを再確認して頂き、次の世代へ繋げて欲しい」という思いをお持ちで、誰でも気軽に日本文化を学べるようにと、定期的なワークショップ開催を通じて、多くの方に日本文化の奥深さ・面白さを伝えているそうです。 まずは親として、子供に伝えられる様に日本文化の知識を改めて学び、更には海外の方々に紹介できるよう、今後も日本の良き文化についての知識を保持していく事は大事な事かと思いました。 世間には前述の『落雁と季節の会』のお二方と同様に、日本の良き文化を後世に伝えようと尽力されている方達が個人・団体問わず大勢いらっしゃいます。是非、学びの機会がありましたら、こういう日本文化についての知識を深めてみてください。日本独特の文化に魅了される外国人の方達は沢山いらっしゃいますので、日本文化の知識は多い程、話題を弾ませるネタとして大いに役立ちます。
2020年は誰もが日本の民間親善大使になれる大きな機会です。もちろんお子様達も小さな親善大使になれるチャンスはあります!読者の皆様も今から少しずつ、親子でおもてなしの為の底力を付けていくのはいかがでしょうか?
【取材協力】 ・八王子国際協会 (公式サイト⇒http://hia855.com/) ・株式会社ハクビ ハクビ京都着物学院 (公式サイト⇒http://www.hakubi.net/) ・落雁と季節の会 (公式ブログ⇒
https://sukiraku.exblog.jp/)
CHANTOママライター/トヤマチエコ