家族の秘密がネットに流出!
ちょっと面倒なSNSが、これは怖いかも…という見方に変わる事件が、24時間ライブ配信するメイの周りで起こり始めます。両親の夜の生活を晒してしまったり、親友を傷つけるキッカケを作ってしまったり。「わざとじゃない」と言われても、被害を受けた方は黙ってはいられません。
親友はメイにアドバイスすべくサークル社に乗り込むのですが、その場面さえもスマホ片手にライブ配信するサークル社の社員たち。「こういうシーン見たことあるかも」と既視感を覚えます。
SNSで大切な人を失いかける状況になったメイですが、このまま会社を辞める、SNSをやめるという流れにはなりません。ここから、メイの反撃が始まります。サークル社に隠された秘密を暴くという大胆な行動に出るのです。
トム・ハンクスの表情に注目!
カリスマ経営者ベイリー演じるトム・ハンクスは見応え十分!さすがという演技を見せてくれます。斬新なアイデアで、世の中をどんどん良くしていきたいと考えているすごい人に見えるのですが、プレゼンシーンで見せるニヤリ顔は怪しすぎ。隠し事はダメ、透明化こそが社会を良くすると言いながら、自身が一番不透明な存在である点も、ベイリーらしいところ。他人の秘密はどんどん公開するのに、自分のことは非公開なのですから…。
SNS自体は、悪ではありません。使い方さえ間違えなければ、便利で楽しいツールなのです。しかし、SNSとの付き合い方をひとつ間違えると、このニヤリ顔の経営者の餌食になってしまう!という怖さも感じるトム・ハンクスの気味の悪さを、ぜひ堪能してください。
ラストは観た人の解釈に委ねられるというモヤモヤ系ですが、だからこそ、それぞれがSNSとの向き合い方を考えなければならないと実感させられます。「いいね」のために、どこまでさらけ出せますか?
文/タナカシノブ