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思春期になっても反抗期がない、という子どもが増えいるそう。でも、素直すぎる子どもは将来逆に大変だなんて耳にしますが、本当はどうなんでしょう?今回は第一次反抗期の時期や内容の他、「反抗期のない子ども」についてまとめました。

第一次反抗期とは


育児書などで確認すると、第一次反抗期とイヤイヤ期をひとつのものとして扱っている場合と、別のものとしてとらえている場合があります。これは、イヤイヤ期と第一次反抗期との時期が大部分重なっていることや、基本的な親の対応は同じであることから、まとめて解説しているのだと思われますが、イヤイヤ期と第一反抗期とでは、子どもの中で起こっている心理には少し違いがあるようです。

 

俗に「魔の2歳児」ともいわれるように2歳児に多い「イヤイヤ期」は、「言葉でうまく気持ちや要求を伝えられないことでかんしゃくを起こす」ものだといわれます。また、公園から帰りたくない・おもちゃやお菓子を買ってほしくて大泣きする…など、自分の要求が通らないことで大泣きしたり暴れたりするのも特徴です。

 

これに対し、「第一次反抗期」の子どもは、言葉で意思伝達はできるようになっていますが、「自立の一段階として、親の言うとおりに行動しない」というのが大きな特徴だといわれています。

 

つまり、親の指示と反対のことをすることそのものに意味があるのですね。だから、たとえば本当はおやつが食べたかったのに、ママに「おやつ食べようね」と言われると「食べない」と言ってしまい、あとでやっぱり食べたかったと泣く…など、ママから見るとちょっと理解不能な反抗も出てきます。

 

また、自分のことを自分でやってみたい欲求も高まるので、靴ひもを結ぶ・お箸を使う・ボタンをとめるなど、大人が手伝うのを嫌がり、かといって一人ではできないのでかんしゃくを起こすということも増えてきます。

 

つまり、イヤイヤ期と第一次反抗期は、態度は「いや!」「○○したい!」と、どちらもよく似ていますが、その行動のもととなる発達段階は少し異なっていると言えます。

小さい頃に反抗期がないと、反動がすごいケースも


イヤイヤ期もそれほど強くないし、第一次反抗期らしいものも感じられない…というお子さんを持つママは、周りからは「うらやましい~」と言われるかもしれませんが、内心、「これでいいのかな…」と心配していることも多いものです。

 

「反抗期は順調に成長している証」などと聞くと、「うちの子は順調に成長していないのかしら」と気になるし、特に不安になるのは「小さい時に反抗期がなかった子は、思春期や大人になってから反抗するから大変なことになるよ」という言葉ではないでしょうか?

 

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これは、完全に正しいとも嘘ともいえないのが実情。理由としては次のようなことが考えられます。

 

お子さんの中には、とてもおとなしいタイプの子がいますので、自己主張はしているけれど勢いが強くなかっただけ…という場合は、成長しても比較的おだやかに思春期を迎えることもあります。きょうだいを同じように育てても、反抗期らしい反抗期がない子と、絵に描いたような反抗期がやってきた子がいる…というママも多いので、一概に大人の関わり方だけで決まるものでもないようです。

 

ただ、第一次反抗期に、要求を何でも聞いてあげていたため、ママへの要求が通らないという経験がまったくないと、思春期になった時、通らないような要求をしてダメと言われたらキレてしまうというケースがあります。

 

逆に、第一次反抗期に、いつも強く叱ったり無理やり大人の言うことを聞かせたりしていた場合、思春期になって子どもの力も強くなり、ママでは抑えきれないようになると、こんどは子どもが暴言や暴力で要求を通そうとします。

 

そうならないためには、小さい時から、世の中には思いどおりにならないこともあり、それに対して我慢するのか交渉して勝ち取るのかを、ひとつひとつ自分で考えさせていくことが必要ですね。

 

同時に、親の方も、「これは妥協してあげてもいいかな」という事柄と、「これだけは許さない」という事柄について、自分の中ではっきりとした軸を持っておく必要があります。

 

付け加えると、たまたま第一次反抗期が軽かったためママに免疫がなかった場合、ごく普通レベルの反抗でも「すごいこと」に感じてしまう場合もあるようですよ。

一方、反抗期がない子にみられる意外なパターンも


また、ママは「うちの子反抗期らしいものがあまりないけど、大丈夫かな?」と思っていても、実は変化が起こっていることもあります。

 

「おむつが取れていたのにおもらしが増えた、なぜ?」と思っていたら、実はママに言われる前に自分の力でトイレに行くことを目指して失敗していたとか、おもちゃの好みが急に変わったなど、よく言われるかんしゃくや泣くこと以外で自立の兆候が表れていることもあります。

 

また、次のような場合は、反抗する必要性が少なかったのかもしれません。

 

ベビーサインを覚えている赤ちゃんの場合、言葉がまだ話せなくても自分の意志が比較的スムーズに伝えられているので、2歳児のイヤイヤが軽く済むという可能性があります。


第一次反抗期に入っても、ママが「この服に着替えなさい」ではなく「この服とこの服、どっちを着る?」のように、声かけのタイミングがよかったために、あまり泣いたり怒ったりすることなく自分で何かを決める体験ができたという場合もあります。

子供の第一次反抗期の時期や内容はさまざま


「3歳なのに反抗期ないな…」と思っていたら、5歳や6歳で第一次反抗期がやってくることもあります。 2~3歳の子と比べると、力も声も大きくなっているので、ママは体力と忍耐力がより必要になるかも…。反抗期に関しては個人差が大きいといわれていますので、心の準備だけはしておいた方がいいようですね!

文/高谷みえこ