赤ちゃんを抱っこしすぎると「抱き癖」がつく、という説を聞いたことはありますか?“抱っこしてもらうまで駄々をこねるようになる”といった状態を指しますが、最近では抱き癖について様々な見解が出ているようです。
抱き癖って本当にあると思う?
今年6月、とある育児中の女性が“抱き癖は存在すると思うか”とネット上で質問し、大きな話題を呼んでいました。彼女は泣いている赤ちゃんを放置しておくと、感情表現が上手くできない「サイレントベビー」になると聞いたことがあるそう。そのため癖がつくことを気にせず、できるだけ赤ちゃんを抱っこしてあげる育児方針をとっているといいます。
同様に抱き癖を気にしないという人は多くいるようで、「いちばんの愛情表現だし、抱っこを我慢して赤ちゃんにさみしい思いをさせるのはかわいそう」「赤ちゃんが愛されてるって安心してくれるように、自立できるまではしっかり抱っこしてあげたほうがいい」といった声が上がっていました。
また“抱き癖が存在するとしても抱っこしたほうがいい”と考える人も。「もし抱き癖がついたとしても、小学生とか中学生になったら自然と抱っこを卒業するんだから問題ないでしょ」「どうせ成長したら抱っこさせてくれなくなるし、お母さん自身が後悔する。今のうちにたっぷり愛情を注いであげて」など、親子にとって貴重な時間を大切に過ごすべきだという意見が多く見られます。
育児の昔の常識は今の非常識!?
さいたま市では子どもの親と祖父母との世代間ギャップを解消するため、現在の育児法をまとめた「祖父母手帳」という冊子を発行。その冊子の中では、抱き癖について「気にしなくていい」とはっきり記載されています。むしろ抱っこすることで心の成長に必要な自己肯定感や、他人への信頼感を育てられるとのこと。
ほかにも育児に関する常識は日々更新されているようす。たとえば頭の形がよくなるといわれていた「うつぶせ寝」も、最近ではNGに。乳幼児突然死症候群(SIDS)から赤ちゃんを守るため、原則的には顔が見えるあおむけで寝かせることが推奨されています。
授乳についても、かつては1歳までに母親がリードしてやめさせるべきだとされていました。ですが今の考え方によると、自然とおっぱいから離れていくまで授乳を続けても問題なし。授乳をやめることを指す言葉も、「断乳」から「卒乳」へとやわらかい表現に変わっているそうです。
身の回りで子育てをしている人がいた時には、正しいアドバイスを送ってあげたいところ。子育ての新常識をしっかりチェックしておきましょう。
文/牧野聡子