臓器移植のチャンスを待つ子どもたち

日本では、1997年に「臓器移植法」が施行され、脳死後の臓器提供が可能になりました。しかし15歳未満の子どもの脳死臓器提供は認められなかったため、国内でからだの小さな子どもの心臓移植手術は受けられず、海外で手術を受けるしか方法はありませんでした。 2008年「国際移植学会」は、「移植が必要な患者の命は自国で救える努力をすること」という、「イスタンブール宣言」を出しています。海外においても、日本と同じように臓器移植を待つ子どもたちがいることや、臓器売買や人身売買などの犯罪に子どもたちがまきこまれるのを防ぐためです。 2010年に「臓器移植法」が改正され、15歳未満の子どもも脳死臓器提供できるようになり、国内でもからだの小さな子どもの心臓移植手術が受けられるようになりました。 が、2016年までに臓器提供された15歳未満の子どもの数は6年間で12人、それに対し臓器移植を待つ子どもの数は約100人だったということです。ちなみに2017年は、国内で9例、海外で23例の心臓移植手術がなされたそうです。

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ちなみに、重い心臓病を患う子どもたちは、心臓を提供されるまで待つことも難しく、待っている間に亡くなるケースが多いとのこと。 日本でも、子どもが心臓移植を受けられる仕組みができたのに、どうしてこんなにチャンスが少ないのでしょうか?