人間関係は離職理由の上位
人間関係が良いと労働者が働きやすいことは、データにも表れています。一般社団法人日本産業カウンセラー協会が公表した「2017年度『働く人からの悩み相談』統計結果」よると、「職場の問題」について寄せられた相談は1609件で全体の32.7%。件数トップだった「自分自身のこと」についての相談は34.8%なので、1位とほぼ変わらない人数が「職場の問題」に悩んでいると分かります。
内訳を見ていくと、「人間関係」に関する相談が42.3%でトップに。「職場の問題」で悩んでいる相談者の半数近くが、「人間関係」に悩んでいると明らかになりました。
さらに、2016年に厚生労働省が行ったWebモニターアンケート調査「若年者の能力開発と職場への定着に関する調査」によると、「初めての正社員勤務先」を離職した理由に「人間関係がよくなかった」と挙げた人は全体の24.3%という結果に。やはり働く上では、給与や待遇だけでなく人間関係も大きな判断材料になっているようです。
政府は「働き方改革」と称して労働環境整備に取り組んでいますが、法整備など大きなテーマが取り沙汰されがち。「人づき合い」という身近な問題にこそ、「働き方改革」のヒントがあるのかもしれません。
取材・文/牧野聡子