どの年齢になっても、飛行機を見たらワクワクするもの。子供だったら、その興奮は、大人の倍以上にではないでしょうか。夏休みに親子で飛行場見学…なんていうイベントも、面白いかもしれません。ところで、そんなとき飛行場まではどんな交通手段を使いますか?子供連れだとリムジンバスは乗り換えもなくラクですが、それはあまりにもったいない!せっかくですから、かっこいい電車に乗って飛行機を見に行きましょう。今回は主要空港に乗り入れる特急列車にスポットを当ててご紹介します。
スピードのスカイライナー、個性の成田エクスプレス
最初に紹介するのは日本で最も大きい国際空港、成田空港に乗り入れる京成電鉄のスカイライナーとJR東日本の成田エクスプレスです。スカイライナーの自慢はなんといってもスピード。上野駅~成田空港駅間を最速44分で結び、途中の成田スカイアクセス線では時速160キロで飛ばします。矢のように走るシーンはまさしく迫力満点ですよ。
また、外装はスピードを感じさせるスタイリッシュな設計になっています。なお、JR山手線、京浜東北線、JR常磐線からスカイライナーに乗る場合は日暮里駅の利用をおすすめします。
スピードのスカイライナーに対し、JR東日本の成田エクスプレスは個性で勝負する列車です。成田エクスプレスの特徴はさまざまな駅から利用できることです。東京駅、品川駅、新宿駅、池袋駅はもちろんのこと、高尾駅や大船駅からも出発します。車内は黒色をベースに赤がアクセントになっている粋なデザイン。グリーン車の座席は革張りになっています。
成田空港は日本で一番大きい空港ということもあり、さまざまな国から飛行機が乗り入れます。できれば、ウズベキスタン航空やMIATモンゴル航空など成田空港でしか見られない飛行機を観察したいですね。 ところで、成田空港駅から少し歩いたところに京成東成田駅があります。東成田駅は1991年まで成田空港駅を名乗っていました。東成田駅には今でも昭和時代の広告が見られますよ。なお、東成田駅にはスカイライナーは乗り入れていません。
飛行機と温泉とミュースカイ
「セントレア」の愛称で知られる中部国際空港も魅力的な空港です。そんな中部国際空港に乗り入れる特急が名古屋鉄道(名鉄)の特急「ミュースカイ」です。「ミュースカイ」は名古屋~中部国際空港間を最速28分で結んでいます。
「ミュースカイ」の最高速度は120キロですが、カーブを快適に走れる仕掛けがあります。それが空気バネを利用した車体傾斜制御装置。カーブを曲がる際に少しだけ車体が傾きます。外観は名鉄のイメージを大きく覆す白色と青色の配色となっています。 中部国際空港では飛行機ウオッチングはもちろんのこと、温泉を楽しみたいところです。展望風呂「風(フー)の湯」からは飛行機が見えます。飛行機を見ながら温泉を楽しむ、何とも贅沢な時間が過ごせます。また、セグウェイを使ったユニークなツアーも見逃せません。名古屋駅から近いので、遠方の方も中部国際空港を訪れてはいかがでしょうか。
静のはるか、動のラピート
最後に紹介するのは関西唯一の国際空港、関西空港です。関西空港にはJR西日本のはるかと南海電鉄のラピートが乗り入れています。はるかとラピートはキャラが真逆。あえて、言葉で表すと「静のはるか」「動のラピート」といえるでしょう。
はるかは基本的に京都駅を起点としています。新大阪駅には止まりますが、大阪駅には通らないのでご注意ください。はるかは京都を起点とする列車らしくシンプルで静的なデザイン。特に側面先頭部のデザインと京都をあしらったロゴは「和」を感じさせます。
はるかに対して大胆なデザインで知られるのが南海電車のラピートです。ラピートは大阪ミナミの中心地、なんば駅から出発。関西空港駅まで最速34分です。先頭は「鉄人21号」を思わせる立体的なデザイン。また、側面の丸窓が本当にオシャレです。登場から20年以上が経ちますが、今でも子供だけでなく大人にも根強いファンがいます。 関西空港を訪れたら、関空展望ホールスカイビューに行ってみましょう。
スカイビューには機内食が食べられるレストランがあります。ただし、機内食のメニューは数量限定! 12時前に関空展望ホールスカイビューに行くことをおすすめします。また、関空展望ホールスカイビューからのツアーもあるので、お見逃しなく。
割引切符を使ってお得に列車旅、飛行機ウオッチングを楽しもう
今回紹介した列車はすべて特急料金が必要な列車です。確かに一般列車と比べると高いですが、会社によっては割引切符を販売しているところもあります。空港アクセス特急に乗る際は各社のホームページをチェックして割引切符を調べてみましょう。また、空港アクセス特急の本数は比較的多いので、自由席が満席になることは少ないと思います。
ただし、お盆や中国の旧正月のシーズンは混み合うことが予想されます。そのときは指定席を確保することをおすすめします。
取材・文・撮影/新田浩之