雨の中の散歩はいかが?『ミッドナイト・イン・パリ』

 

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本作でのレイチェル・マクアダムスは、超現実主義者の婚約者・イネスを演じています。パリに強い憧れを持つオーウェン・ウィルソン演じる主人公のギルは、脚本家の仕事を辞め、パリで小説家になろうと決心しました。

 

一緒にパリで暮らしたい、パリで仕事がしたいギルは、パリの魅力を一生懸命イネスに伝えます。雨の日には、「ステキだよ、雨の中の散歩」とアピールするのですが、イネスは、「濡れるだけ、どこがステキなの?」とつれない返事をするのです。実はギルはハリウッドでは超売れっ子の脚本家なので、わざわざパリで小説家になる必要はないとイネスは考えています。

 

ある日、パリの美しい街並みに魅了され散歩をしていると、ギルは迷子になってしまいます。大好きな街、パリでの迷子にまんざらでもない様子のギル。疲れて一休みしていたところで、深夜0時を告げる鐘が鳴り響きます。と同時に、なんと1920年代のパリへとタイプスリップしてしまうのです。

 

フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、ピカソにダリ。パリに憧れるギルでなくてもその名を知っている、歴史上の人物と出くわす世界へと。そして、ピカソと浮名を流したアドリアナ(マリオン・コティヤール)と出会って恋に落ちてしまうのです。現実社会の婚約者と、迷い込んだ異時代のキュートな女性との間で揺れるジルは、いったいどちらの女性を選ぶのでしょうか?雨の日パリもおしゃれでステキ!と再認識できる作品です。

 

窓の外の雨を見ながら、雨のシーンがステキな映画に浸る。そんな雨の日を過ごすのもいいですよね。

 

文/タナカシノブ