子どもの心や行動に影響を与える“自己肯定感”。自分が愛されていると実感している子どもほど、心が安定して物事を前向きに捉えることができます。では、子どもの自己肯定感を高めるにはどうしたらいいのでしょうか?

宇多田さんが語る“本当の自信”がつく褒め方

シンガー・ソングライターの宇多田ヒカルさんは、2月にYouTubeチャンネル『Hikaru Utada』でファンからの質問に答える企画「ヒカルパイセンに聞け!」を投稿。ママでもある宇多田さんは、動画内で自身の子育て論を語っていました。

 

リスナーから「子どもの自己肯定感を高めるコツはありますか?」という質問を受けた宇多田さん。リスナーは過去に根拠なく子どもを褒めてつまずいた経験があるようで、そもそも子どもの自己肯定感は高くあるべきなのか悩んでいると言います。

 

宇多田さん曰く、褒め方には年齢によってステップがあるそう。子どもが成長していくにつれて、むやみに褒め続けることは“根拠のない自信”を育てているだけで逆効果だと話します。うまくいかなかったときにくじけやすくなったり、諦めやすくなってしまい、“本当の自信”には繋がりません。

結果”ではなく“プロセス”に焦点を当てて褒めてあげよう!

続けて宇多田さんは、「結果を褒めるんじゃなくて、プロセスを褒めるように心がけてます」と自身の子育て法を紹介。「頑張ってたもんね」「練習してたもんね」というように、結果が出るまでの過程を褒めていると言います。

 

また宇多田さんは抽象的なことではなく、ピンポイントで褒めることにも注意しているそう。今まで子どもがうまくできず、辞めそうになっていたことを頑張って続けていたことがあるとしたら、結果がどうであれ、難しかったのに諦めないで頑張ったプロセスを意識して褒めてあげてほしい、とアドバイスしていました。

 

結果にはさまざまな要因が関わってくるうえ、偶然が重なることで得られる場合もあります。結果よりもそれまでの頑張りをちゃんと見ていたと親が意思表示することが、子どもの自己肯定感につながっていくのかもしれません。

「自己肯定感」は子どもたちの人生を左右するほど重要!?

以前放送された『ウワサの保護者会』(NHK)でも、「どう育む? 自己肯定感」をテーマに子どもの自己肯定感について特集。子どもが前向きに生きられるコツを紹介していました。

 

番組MCの教育評論家・尾木直樹さん(尾木ママ)は、自己肯定感は子どもたちの人生を左右するほど重要なものだと解説。自己肯定感が高ければ、「ありのままでいい」と自分で自分のことを愛せると言います。

 

親子・家族問題に詳しい、恵泉女学園大学学長の大日向雅美さん曰く、日本の子ども・若者は諸外国に比べて自己肯定感が低いそう。国民性の違いもありますが、自分の将来に希望を持つためにも自己肯定感を高めてあげることは大切です。

 

尾木ママは番組内で、子どもが頑張ったことは認めつつ、何がたりなかったのかを親子で振り返る時間が必要とアドバイス。また大日向さんも褒めるときは素直な感動を伝えて、その先を求めてはいけないとコメントしていました。

 

親として子どもがどのように頑張っているのか見守ってあげることが重要。子どもの褒め方がわからないという人は、宇多田さんや尾木ママのアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか。

文/内田裕子 ※画像はイメージです
参照/Hikaru Utada「ヒカルパイセンに聞け! /Ask Hikaru Paisen-2022.02.23 part2https://www.youtube.com/watch?v=yYzS7XF_98Q
『ウワサの保護者会』公式サイト「どう育む? 自己肯定感」https://www.nhk.or.jp/hogosya-blog/100/442859.html