紫外線が気になるこれからの季節。日焼け防止対策について、改めて考えます。今回は、トランスジェンダーの美容家としてSNSで注目を集めるフミィさんこと前田文也さんに、ご自身も実践されている肌ケア習慣を聞きました。

フミィさんが実践する6つの美肌メソッド

肌にコンプレックスを持ったことがきっかけで美容にのめり込み、現在は性別に左右されない化粧品ブランドまで展開しているフミィさん。

 

そんなコンプレックスがあったことは微塵も感じさせない美肌の持ち主ですが、ここに至るまでは並々ならぬ努力があったそう。そんな努力のもとで生み出された、実践中の日焼けケアや肌のための良い習慣など、フミィ流美肌メソッドを教えてもらいました。

フミィさん

【メソッド1】朝起きたらすぐに日焼け止めを

地上に届く紫外線には、その波長によって、A波・B波などに分けられますが、フミィさんが特に気をつけているのは紫外線A波。窓ガラスやカーテンをすり抜けて、家のなかにも届くそうなので、屋外であっても日焼け予防が必要になります。

 

「紫外線A波は肌の奥まで届いて、シワの原因にもなります。家のなかでも曇りの日でも届くので、私の場合は朝起きてすぐに日焼け止めを塗るのが日課になっています。

 

日焼け止めの表示にはSPAPAがあります。紫外線A波をどれくらい防ぐかを示しているPAの数値を重視し、私は4+を選ぶようにしています」

【メソッド2】外出時はUVスプレーで塗り直し

日中の紫外線ケアには日焼け止めのこまめな塗り直しが大切です。でも、コロナ禍の今、外出時は肌をなるべく触りたくないですよね。

 

そんななか、フミィさんが特に活用しているのが「UVスプレー」です。

 

「日焼け止めは皮脂や汗が落ちるので、23時間に1回は塗り直すべきです。そんなときに便利なのがUVスプレー。2時間おきにたっぷりと吹きかけています。保湿効果もあるのが嬉しいですね。

 

皮脂でテカテカしているときは、ブラシやパフでお粉をのせてからスプレーすると、肌になじんでちょうどいいツヤ肌になります」

フミィさんビフォーアフター
左)美容研究家になる前のフミィさんの肌荒れ時代

【メソッド3】日傘は外側コーティングで地面の乱反射対策を

紫外線対策で盲点となるのが地面からの乱反射。フミィさんは日傘選びにも注意が必要だと言います。

 

「最近は遮光率が高いシルバーコーティングの日傘が話題ですよね。ただ、傘の内側にシルバーコーティングがあるものは地面からの照り返しを受けたときに、逆に顔に光を集めてしまうことも。そのため、コーティングは外側にあるものを選んでいます。

 

また、日傘のUVコーティングは23年で落ちてしまうので、2年くらいで買い換えるのもポイントです。UVカットのスプレーを活用するのもいいかもしれません」

【メソッド4】乳液とクリームこそが大事

「化粧水は、含まれる成分の90%が水という商品も多いです。水によって肌が濡れると、肌を乾かそうとする機能が無意識に働くので、化粧水を塗った直後は潤っているように錯覚しますが、時間が経つと逆に乾燥してしまうことも。

 

日本では化粧水文化が浸透していますが、世界的に見ると、こんなに化粧水を使っているのは日本人だけ。夏は暑くて化粧水だけで済ませたくなりますが、乳液、クリームこそ重要です。

 

1本で済ませたいなら、高機能なオールインワンを使うのがおすすめ。成分では、保水力の高いプロテオグリカンに注目しています」

フミィさん

【メソッド5】スキンケアでは力の入れすぎに要注意

「女性のスキンケアでよく見かけるのが、最後に肌をパンパンと叩いたり、肌が凹むくらいギューッと押し込んだりするやり方。あれは力の入れ過ぎです。

 

肌を叩いたり、擦ったりする刺激でシミができることが。スキンケアは優しく、肌にのせるように。洗顔もゴシゴシせず“泡で洗う”ことを意識しています」

 

30代になると、毎日のスキンケアやメイクに慣れてきて、つい力を入れすぎたり、雑になったりしてしまうことも多いです。スキンケアの力加減を見直して、叩かない、押し込まない優しいケアで、肌を大切に労ってあげたいですね。

【メソッド6】寝る前はベタベタするくらい保湿を

美容に関しては、長年化粧品ショップを経営していたおばあさまから学んだことがフミィさんの基礎になっているそう。

 

「祖母から口を酸っぱくして言われていたのが『保湿がとにかく大事』ということ。乾燥が、たるみやシワをつくります。

 

夏は肌が汗で潤っているように思えるかもしれませんが、実はエアコンなどで肌は乾燥しがちです。私は夏でも、就寝前はベタベタになるくらい保湿をしています。

 

毎日続けていると、肌の水分量がだんだん上がってきて、調子のいい肌状態が維持できますよ」

 

最後に、マスク生活の今、マスクの色をファッションに合わせて選ぶことも大切とのこと。ファッション感覚でつけて、楽しい気分になることで、肌の調子も上がるそう。

 

今すぐ実践できそうなフミィ流ケアで、紫外線ダメージに負けない美肌を目指しましょう。 

 

PROFILE フミィ(前田文也)さん

フミィさん
1985年兵庫県生まれ。容姿は女性で性別は男性のトランスジェンダーの美容研究家・男子美容研究家。正しい美容法を拡げる為にSNSやWebメディア、TVや雑誌などで発信中。化粧品開発にも携わり、2015年に化粧品会社の代表として性別に左右されない全てのジェンダーが使える、ジェンダーニュートラル化粧品ブランド「FUMMY REFACE」を設立。

取材・文/伊藤恵美 画像提供/フミィさん