ももいろクローバー(現ももいろクローバーZ)のメンバーだった早見あかりさん(2008年〜11年まで在籍)。グループとしてCDデビューを果たし、いよいよこれから!というタイミングでの脱退でした。自分はアイドルに向いていなかったと語る早見さんですが、その本意は何だったのか、お話を伺いました。

クールビューティーな印象と自身のギャップ

—— グループの在籍期間は、約2年半だったのですね。

 

早見さん:

意外と短いって言われるんですが、私の人生において、めちゃくちゃ濃い2年半でした。

 

—— ももクロの脱退から約10年。当時の早見さんのキャッチフレーズが、「ももクロのクールビューティ」でした。今も、そのイメージを持たれる方は多いのでしょうか?

 

早見さん:

よく「冷たくて喋らない、あまり笑わない子」っていうイメージを持たれることは多いですね。

 

でも、実際はめちゃくちゃ笑いますし、わりと人懐っこい。人と話すのも好きで、自分で言うのもあれですが、ムードメーカーにもなったりするんですよ。だから初対面で、ちょっと喋って笑っただけでも、相手の中で一気に印象がアップしちゃうことがあって(笑)。少し得してるかなって思ったりもします。

 

—— それは嬉しいギャップですね!確かに、このインタビューもとても話しやすいです。

アイドルに向いてないと自覚した瞬間

早見あかりさん
自分の気持ちに嘘はつきたくない

—— ところで、早見さんはももクロのメジャーデビューシングル『行くぜっ!怪盗少女』のリリースから約1年後の2011年に脱退されました。 理由は、「アイドルに向いていないと思った」とか。これは、改めてなぜそう感じたのでしょうか?

 

早見さん:

「ももクロ」が、と言うのではなく、「私」が、思っていたアイドルになれなかったと言うことです。小学生の頃からモーニング娘。さんのファンで、それが私の頭の中でザ・王道アイドルみたいなのがあって。

 

ももクロは、そういう意味ではちょっと違うカテゴリーに入るとは思いますよ。

 

ただ、私以外のメンバーはいつもニコニコしていて、ファンの人が求めていることに答えてあげられる。一方、私はそういう才能が無いなって気づき始めてしまったんですよね。

 

—— ももクロのメンバーと早見さんでは、持っているものが違っていたと?

 

早見さん:

彼女たちは、当時からファンの人たちが求めていることに答えられたというか。

 

たとえば、ファンの人に「俺、髪型変えたんだよね」と言われたら、「カッコ いい!」とか返した方がいいじゃないですか。でも、私はその言葉を言ってほしいのが分かるから、言いたくないって思っちゃう(笑)。

 

彼女たちは計算じゃなく、「うんカッコいい!!」って即答できる明るさがあるんです。

 

—— 早見さんはどう答えるのですか?

 

早見さん:

「前の方が良かったって」って(笑)。アイドルの答えとしては、「前の髪型も良かったけど、今の髪型ももっといいと思う!」が多分100点なんでしょうね。

 

100点を素で出せる子たちがいたからこそ、同じ土俵にいるのは無理だなって思えたんです。「100点が分かるのに言いたくない人」と、「100点が分かってなくても言えちゃう人たち」の違いですね。

 

もちろん、自分の気持ちに蓋をして、期待された言葉を言う選択肢もあったと思います。でも、結局みんなに嘘をつくことになる。それは違うんじゃないかなって。

 

アイドルとして、向き不向きの話かな。

 

—— 自分の気持ちに正直な選択をされたのですね。

 

早見さん:

ももクロに入るときは、楽しそうだからやりたいと思って入ったし、もちろん楽しかった。メンバーはとにかくいい子たちですし。

 

ただ、他にもアイドルをやりながら、ときどきお芝居のお仕事だったり、モデルのお仕事だったりと幅を広げていくうちに、もっとお芝居の仕事もやってみたいなって思うようになりました。

 

もちろん、辞めるって決めたときには、まだ女優で生きていくだけの覚悟はありませんでした。興味を持ったのがお芝居だった。でも脱退をするころには、一生女優をやっていけたらと気持ちが固まっていました。

 

—— 結論を出したらあまり迷わない方ですか?

 

早見さん:

「やりたい!」って思ったらやるし、「違う!」って思ったら辞める。あんまりグレーが無いんですよね。

 

ももクロを辞めるときも、グレーなまま続ける選択肢はあったと思います。でも、迷惑をかけてでも自分の気持ちを通してしまった。もちろん、メンバーにもファンの方たちにも「ごめんね」って謝りましたが。

 

思えば脱退も、結婚も妊娠も、自分のタイミングで「こうしたいです」と事務所や周りに伝えてきました。あまり相談はしない方ですね。勢いもあります(笑)。

 

—— でも、その潔さが早見さんの魅力でもありますね。

 

早見さん:

グレーな部分もあった方がいいとは思うんですけどね。今は、当時に比べたら多少余白を残して、グレーの部分も残せるようにはなったように思うんですが。

 

—— もし、今ファンの方に「髪切ったんだけどどう?」と聞かれたら?

 

早見さん:

やっぱり前の髪型の方が良かったと思えば、「前の方が良かった!」って言いますよね(笑)。意地悪とかひねくれてるとかではなく、「だって前の方がよかったんだもん」という正直な気持ちです。

 

そのあたりの軸は、このままかもしれませんね。

 

 

PROFILE 早見あかりさん

はやみ・あかり。女優。1995年3月17日、東京都生まれ。映画、ドラマ、舞台で活躍。一児の母。5月13日(金)公開の映画『シン・ウルトラマン』に出演。

取材・文/塚田史香 撮影/坂脇卓也