「私なんか全然可愛くないのに、彼がすごいヤキモチ焼きで困っちゃう」
こうしたセリフに
「そんなことないよ〜、Aさん可愛いもん。彼もヤキモチ焼いちゃうよね〜」なんて返しながら、モヤモヤしてしまった経験はありませんか?
『繊細な人 鈍感な人』著者であり、心理カウンセラーの五百田達成(いおたたつなり)さんによると、モヤモヤするのはこのセリフが「自虐自慢」だからだそうで —— 。
自虐自慢にモヤモヤする訳
自虐自慢とは、自虐を交えることで、自慢をやわらげてすること。
「可愛くない」と自虐しつつ「彼氏がいる」ことを自慢するのも自虐自慢です。
こうしたトークには、「ストレートに自慢をして角が立つのを避けたい」という心理が働いています。相手に自慢をする嫌味な奴とは思われたくないけれど、自慢したくて仕方がない!そんな気持ちがこのような言い回しをさせるわけです。
いったん「可愛くない」と自分を下げつつ、「モテる」アピールをしているわけで、結局のところ「すごいでしょ?」という気持ちが透けて見える。
だから、周囲の人はどこか気持ちがすり減ってしまうのです。
さらに繊細な人は、相手の言って欲しいことを敏感に察知してしまうので、「そんなことないよ〜」とつい無意識に相手をフォローしてしまいます。
このフォローは半ば強制的に言わされているようなものなので、モヤモヤしてしまうのです。
「フォローしたくない自分」に気づこう
気持ちがモヤモヤしたときは、その正体を突き止めることが大切です。
何事も得体の知れないものには恐怖を感じますが、正体がわかれば大したことはなかった、と感じることって多いですよね。
今回のケースで言えば、「相手をフォローしたくない自分」に気づくことが重要。自分の正直な心を知るだけでも、モヤモヤが解消されてスッキリしますよ。
そのうえでおすすめなのが、自虐部分ではなく自慢部分に大げさにのっかること。
「ヤキモチ焼かれるなんてうらやましいー!」「いいねーラブラブで!」なんて、冗談めかして持ち上げると、さすがに相手も恥ずかしくなって「いや、そんなことないけど(ごにょごにょ)」と引き下がってくれますよ。
やさしい相槌を続けていると、いつまでも自虐自慢を聞くはめになります。ズバッと褒め殺して話題を終息に導くのが必勝法です。
監修/五百田達成(いおたたつなり) 取材・文/上野真依 イラスト/りゃんよ