「もう着いた!」「ヨドバシにあった!」など、SNSなどで“ヨドバシ推し”の人が出るほど、ネット通販に新風を吹き込む「ヨドバシ・ドット・コム」。アマゾン、楽天市場などと並んで選ばれる理由、強さの秘密は何なのか。ECアナリストの遠藤奈美子さんに話を聞きました。
送料や配達面でお得度が高い!
ネット通販で固定ファンの多いアマゾンと楽天。近年、この二強に割って入るほど支持を集めているのがヨドバシカメラ運営の「ヨドバシ・ドット・コム」。2020年の国内ECサイトの売上ランキングで上位に進出するなど、勢いは加速するばかり。
家電量販店のネット通販だからといって、家電だけを販売しているわけではありません。日用品や食品、飲料・酒類、ファッション用品やスポーツ・アウトドア商品など、豊富なラインナップ。800万点以上の品を取り揃えています。ズバリ、なぜそんなに人気なのでしょうか?
「ヨドバシ・ドット・コムが、他のECサイトより優れたサービスや特典を備えているからに他なりません。もちろん、私もよく利用しています」
注目のサービスや特典について見ていきましょう。遠藤さんがとくに強みとして挙げるのは、「送料無料」と「スピード配送」です。
「送料無料は日本全国、どこでもですよ。アマゾンの場合、2000円以上購入するか、有料のAmazonプライム会員に限られますが、そういった条件は一切ありません。また、即日・翌日・指定日配達も無料で選択できます。ペン1本、消しゴム1個から送料無料で届けてくれるので、完全に赤字じゃないかと心配してしまうくらいすごいんです」
加えて、スピード配送には「ヨドバシエクストリーム」が活躍します。
「これは最短で注文当日の配達を可能とする特別な便です。といっても利用は無料ですし、送料もかかりません。しかも東京23区全域、東京都下・横浜市・川崎市・大阪市・福岡市の一部の対象地域については、最短2時間30分以内に届けてくれます。同サービスでも一品からスピード配送してもえますよ」
まさに“神対応”。じつはその裏にも秘密が隠されていました。
「ヨドバシでは、自社で商品を仕入れ、販売し、配送しています。物流網を整備し、自前の配送車やドライバー部隊を確保することで、送料無料およびスピード配送を実現しているわけです」
つねに「10%還元」はヨドバシ・ドット・コムの強み
ヨドバシ・ドット・コムのすごさはその他にも。遠藤さんが続けます。
「ポイント還元率の高さですね。基本は10%還元。1000円の買い物で100ポイントが貯まる計算です。期間限定のキャンペーンやまとめ買いなどでは15~20%のポイントアップ商品が登場します」
アマゾンや楽天市場とは異なり、リアル店舗を持つのも大きな特徴。店舗と連携した独自サービスを行っています。
「ネットで注文して帰宅途中などに商品を店頭で受け取れる『店舗受け取りサービス』が便利です。また、マルチメディアAkiba、マルチメディア梅田、マルチメディア博多の3店舗には『時間外受け取りカウンター』が設置され、24時間いつでも商品を受け取ることができます」
一方、数少ないマイナス点として挙げるのは、返品や交換の手続きに関わることです。
「購入した商品の返品や交換を希望する際には、メールか電話でお問い合わせ窓口まで連絡する必要があります。また、商品ジャンルによってはお客様都合による返品・交換ができないものもありますので、事前に確認が必要です」
ヨドバシ・ドット・コムの商品は店頭と同価格で販売。価格が特別安いわけではありません。しかし、送料無料やスピード配送、ポイント高還元などのサービスや特典の充実ぶりを加味すると、他の通販サイトで買うよりはメリットがあるといえます。そこがユーザーに支持される理由であり、強さの秘密といえるでしょう。
ECアナリストが重宝するのは、あのファッションサイト!
コロナの影響から家にいる時間が多くなり、ネットで買い物する機会が増えた人は多いのではないでしょうか? 利用すべきは便利でお得な通販サイト。しかし、ヨドバシ・ドット・コムのように、見落とされているところは少なくありません。
そこで最後に遠藤さんに質問。ネットショップの運営全般に携わり、プライベートでも日常の買い物のほぼすべてをオンラインで済ませている経験を踏まえ、おススメのECショップはどこでしょうか?
「個人的な好みもありますが、ニッセンです。カタログ通販で有名ですよね」
ニッセンの通販サイトを覗くと、ファッションアイテムがずらり。カタログ通販の実績から洋服などを画像や情報だけで購入につなげるサイト作りがなされているそうです。ユーザーのかゆいところに手が届いた仕組みが好評のようです。
「ファッションアイテムは、サイズ感や質感などがわからなくて、ネットで買うのは難しいとよく言われます。幅広いサイズ、豊富なデザインの商品を取り揃えているのはもちろんのこと、そういったマイナス要素をカバーしてくれているわけです」
具体的な内容は以下の通り(一部)。
- 生地の厚みや収縮性、透け感やシルエットなど、画像だけではわかりづらい情報を5段階で表示
- どの画像が実物の商品の色味に近いかを紹介
- 商品説明の欄には、たとえば「淡色は透けやすいので、ベージュ系のインナーをご着用ください」といった情報を記載。ネット通販で失敗しやすいポイントを補う
- 商品ごとにQ&Aコーナーが設けられていて、ユーザーが質問して購入者やニッセンスタッフからの回答をもらえる。「通常のサイズより1サイズ上を買ったほうがいい」など、購入者からのレビューも丁寧に書かれていて参考になる
「要は納得かつ、安心して購入できるのが嬉しいですね。使い勝手がよく、買って失敗した記憶はほとんどありません」
人気上昇中のヨドバシ・ドット・コムやプロを満足させるニッセンなど、ネット通販の世界は広く、開拓の余地は残されています。自分好みのECサイトを探してみては?
※2021年7月31日時点での情報です。最新情報はヨドバシ・ドット・コムで確認ください。
PROFILE 遠藤 奈美子さん
取材・文/百瀬康司