プライム会員になんとなく入ってしまい、送料無料が便利だからそのまま使っている。じつは、アマゾンには意外と知られていないサービスがまだまだあります。忙しいママに便利でお得なものも!賢く使いこなす方法を、ECアナリストの遠藤奈美子さんに聞きました。
送料無料&スピーディーな対応はさすが!
いまや買い物の定番スタイルとなっているネット通販。アマゾンと楽天市場はその代表格です。
前回記事「『楽天市場』は最大43%得することも!ママ向けの意外なサービスとは?」
(※)では楽天市場を取り上げ、基本として抑えておきたい「ポイントの貯め方」「送料」「配送スピード」の3つと、注目すべきサービスなどを紹介。今回は同様のテーマでアマゾンについて解説します。
「アマゾンも楽天もサービスの内容に違いがあります。それぞれの特徴を知り、買い物の目的や条件を踏まえて使い分けるようにしましょう」と語るECアナリストの遠藤奈美子さん。
「アマゾンは、世界19か国で展開する総合オンラインストアです。現在扱われている商品は約2億種類とも言われています。有名なプライム会員をはじめ、各種サービスも充実していますよ」
アマゾンの特徴を知り、お得や便利を引き出すにはどうしたらいいでしょうか。
◆基本1「ポイントの貯め方」
アマゾンの場合、ポイントの付与対象となる商品が限定されています。商品によってポイントがつくものと、つかないものがあるということです。
「ポイントがつく場合には、商品ページの価格のすぐ下に表示されています。ポイント還元率は2〜20%程度。還元率の高い商品を選べば上手にポイントを貯められます。アマゾン内の『Amazonポイント特集ページ』には、ポイント付与率の高い商品や期間限定のポイントキャンペーンも掲載されているので、チェックしてみてください」
アマゾンでも楽天市場と同じく、クレジットカードの利用がポイント獲得の武器になります。アマゾンと三井住友カードの提携カード「Amazon MasterCardクラシック」の利用で還元率1.5%、プライム会員なら2%に。
「同カードは年会費1375円。初年度は無料で、年1回カードを利用すると翌年度も無料になります。アマゾンユーザーなら持っていて損はないでしょう」
なお貯まったポイントは1P=1円としてアマゾンの買い物に利用できます。
◆基本2「送料」
ネット通販で単価の安い商品を購入する場合、送料がかかりスーパーで買うより高くなってしまうことも。しかしアマゾンはそれを回避できるといいます。
「有料会員サービスの『Amazonプライム』の会員になれば、いつでも送料無料となるからです。したがって飲料や食品、日用品など単価の安いものでもスーパーより割安ですむことが多いですね」
加えて、定期的に購入する品については「Amazon定期おトク便」の利用が得策とのこと。
「表示価格から最大10%引きされ、送料も無料になります。注文した商品が定期的に届くので、買い物の手間も省けますよ」
送料で得するのはプライム会員だけ…と思いきや、そうではありません。
「1回の注文で2000円以上購入すれば、誰でも送料無料です」
◆基本3「配送スピード」
アマゾンは自社で商品を販売し、自社のセンターからの配送を基本形態としています。このシステムが配送スピードに関係します。
「自社で配送する商品は『お急ぎ便』のサービスにより、最短で当日の配送が可能です(出品者の販売商品であるマーケット・プレイスは対象外)。ただし当日配送を希望する場合は、午前中に注文するなどの条件があります(地域によって利用できないところもあり)」
音楽や映画を楽しみたい人はプライム会員がお得!
ここからは注目のサービスに移りましょう。遠藤さんはAmazonプライム会員と2つのセールを挙げます。
Amazonプライム会員には年会費4900円、または月会費500円が必要です。魅力は特典の多さ。前述したアマゾン発送の商品の送料無料のほか、以下のように幅広い特典を受けられます。
- Prime Delivery…お急ぎ便やお届け日時指定便を追加料金なしで無制限に使える
- Prime Video…映画やドラマ、アニメなどの動画が見放題
- Amazon Music Prime…200万曲以上の楽曲が聞き放題
-
Amazonプライムデー…毎年1回開催されるプライム会員限定セールへの参加
など
とはいえ、会員向けの特典が自分にミスマッチだったら、会費を損することになりますよね…?
「見極めは必要です。アマゾンでの購入金額が2000円以上だと、誰でも送料無料になります。2000円以上の買い物が多く、送料無料以外の特典に魅力を感じないなら、プライム会員にならずに利用するのが賢いでしょう」
アプリを使えばセールのタイミングを逃さない!
2つのセールのうちの1つ目は、プライム会員限定の「Amazonプライムデー」。年に一度のビックセールとして知られ、割引率の高い目玉商品が多数登場します。
もうひとつは「タイムセール」。こちらはアマゾンユーザーなら誰でも参加でき、数量限定かつ短期間で行われる割引セールです。
「人気の商品が数量・時間限定のお買得価格で毎日更新される『数量限定タイムセール』は最大8時間で終了し、人気商品だとすぐに売り切れてしまうこともあります。また一日最大5件、24時間限定の『特選タイムセール』には、日替わりで目玉商品が登場するので、見逃せません」
タイムセールを見逃さないためには、アプリの利用が便利といいます。
「ウォッチリストに追加した商品は、タイムセール開始5分前にアプリで通知してくれます。また、欲しい商品を『ほしい物リスト』に追加しておいても、その商品がタイムセールになった時にお知らせしてくれますよ」
夫婦別々に年会費を払っていたら損するだけ
アマゾンを賢く利用する方法については、「ヘビーユーザーならプライム会員になって特典をフル活用すること」と話す遠藤さん。その際、見逃しがちな特典があるといいます。
「同居する家族を2人まで『Amazonプライム家族会員』として登録できる制度です。この特典を知らず、夫婦でお互いが年会費を支払っていたというケースをよく聞きます。家族会員は会費の負担はなく、送料無料をはじめ、お急ぎ便やお届け日時指定便などの特典も受けられますよ」
そのほか、ママ向けの穴場特典として以下2つを紹介してくれました。
- Amazon Photos…スマートフォンやタブレット、パソコンから写真または動画をバックアップして整理できるプライム会員向けの無制限のフォトストレージ。専用アプリをダウンロードして利用する
「家族や友人などを5人まで招待し、写真を共有できます。わが家では離れて住む実家の両親が、孫の写真をリアルタイムで見られると喜んでいます」
- Amazonファミリー…子どもの生年月日や出産予定日を登録すると、子育てアイテムの限定セールやクーポンなどの特典を受けられる
「常時開催されている限定セールでは、おむつやミルク、日用品など子育て中の家庭に欠かせない商品がお得です。またプライム会員であれば、定期おトク便の利用でおむつやお尻拭きを15%引きで購入できます」
世界中でサービスを展開するアマゾン。利便性の高さや、Amazonプライムの充実特典に驚いた人は多いでしょう。改めて要チェックを!
※2021年7月31日時点での情報です。最新情報はアマゾンの公式サイトでご確認下さい。
PROFILE 遠藤 奈美子さん
取材・文/百瀬康司