前回は義父母が自由に食材を購入することにより、開封済みの同じ調味料が台所にあふれる事態について綴りました。
義父母の年齢からして、まさか認知症で前に買ったことを忘れてしまっているのでは…と心配したりもしたのですが、事態はむしろそれよりも面倒なことになっていました。
“お酢”の定員オーバーが違法レベル
以前買った記憶があるが、見当たらない(見つけられない、面倒くさい)→きっとほかの二人が使ったに違いない→新しいものを買おう/開けよう!
このループにより、我が家の台所には中途半端に開封された調味料が溢れることになっていたのです。
また、義父母が二人揃っての新しいもの好き、好奇心旺盛な性格。台所管理問題にさらなる拍車をかけます。
義母は日頃から、食品メーカーが次から次へと発売する新しい調味料に興味津々です。
例えば、野菜を漬けるだけで美味しくなる合わせ酢…それはもう本当に手軽で美味しくて素晴らしい商品だと思うのですが、我が家には現在、合わせ酢だけで、すし酢、合わせ酢①(ノーマル)、合わせ酢②(黒酢)、出汁入り合わせ酢①(ノーマル)、出汁入り合わせ酢②(柑橘果汁入り)の5種類がすべて開封済みで存在します。
すべて、新製品に目がない義母が買ってきたものです。どれもとても美味しいし便利なんです。なんですが…!(ちなみに合わせ酢でないお酢もこれとは別に7~8本あります。米酢、醸造酢、黒酢、バルサミコ酢、リンゴ酢、飲むブルーベリー酢…もういいですか)
どう考えても種類が多すぎます。おかげで我が家の調味料棚は常に満員御礼定員オーバー、1台の自転車に無理やり5人くらい乗っているような状態です(違法です)。
主婦タレントに影響される義父
かたや義父はというと、昼どきのワイドショーの、キッチン便利グッズ特集が大好き。
主婦タレントが100円ショップで「こんなに多機能なのに100円なんですか!」と褒めたたえるグッズを見かけたりすると、もう我慢ができません。
過去に義父が買ってきた100円キッチングッズを例に挙げると、
- 電動小型泡立て機(カプチーノ作成2回で飽きた)
- 茶こしにもなる計量スプーン(ただ邪魔なメッシュ状の蓋がついているだけ)
- 開封済み牛乳パックの蓋をきっちり閉めるキャップ(一度だけ使った)
- ゆで卵の茹で加減がわかるエッグメーター(一度も使ってない)
- たこ焼き機専用ピック(プラスチック製で一回で熱で溶けた)
きわめつけは、1本で10通りに使えるというプラスチック製のトング。
食べ物を挟む本来のトングとしての用途に加え、二つのパーツに分かれて取分け用のスプーンとフォークとして、それぞれのパーツの穴や凸凹を利用して、生卵を黄身と白身を分ける、おろし金やマッシャーになる、ナイフとして柔らかいものを切る、計量スプーンになるetc…
とにかく、よくこんなに盛り込んだね?でもどの機能も絶妙に中途半端で使いにくいから多人数の家庭には不向きだね?あと多機能のせいで本来のトングとしての機能も微妙だね?という、突っ込みどころしかない品でした。100円ショップならではのケレン味が漂う…ある意味では逸品でした。
同居嫁、ついに悟りを開く
こんな調子でどんどん(微妙に違う)調味料と(中途半端な)便利グッズの増えていく我が家。
もちろん私も、なるべく見つけやすいように種類別に置く場所を決めるなど、色々と工夫はしてみました。
義母にも義父にも、買い物してくれるのは有難いけれど、あまり種類を増やしすぎるのは…と、ことあるごとにお願いを繰り返しています。
しかし、いかんせん6人が同時に使う台所です。家族全員にルールを徹底するのは並大抵のことではありません。
そして何より私自身、決して完璧な買い物や在庫管理ができているわけではありません。
会員制某アメリカンスーパーで買った大量の食料品や調味料を、ついつい所定の場所以外に置いてしまい、床面積を圧迫することに…。
自分自身がルールを守れないのに、他の家族に強制することもできません。
ついに私は、ふたたび悟りの境地に達しました。
それはつまり…二世帯完全同居家庭の台所は、人間の秩序の及ばないカオスである。愚かな人間が自らの管理下に置こうとしても、思う通りになるような代物ではないのだと…。
そんなわけで、台所の秩序を手にすることは半ば諦めつつある同居嫁の今日このごろです。
重複した調味料を廃棄することのないよう、合わせ酢やマヨネーズを大量消費するレシピに試行錯誤しています。また、使い道のない便利グッズについては、義父が買ってきたことを忘れたころにそっと処分しています。
そしてやっと少し収納に余裕が生まれたころに、新たに買い足される調味料と便利グッズ…。
仕方ない。二世帯同居の台所は巨大な宇宙、混沌の世界なのですから…。