『片恋グルメ日記2』(5月23日スタート)で八角直哉を演じている平岡祐太さん。
続編となる本作では、主人公の妄想女子・コロ(本仮屋ユイカ)と不器用な八角さんの恋の行方も見どころとなっています。
大人なので、ギュッとしてみたらいいんじゃないかな
── 不器用な八角さんに恋のアドバイスをするとしたら、どんな言葉をかけますか?
平岡さん:
八角さんもコロもひと言たりないから、ムズキュン極まりないですよね。新キャラも出てきてなかなか恋が進まなそうな不安もあります(笑)。
まあ、大人なので、ギュッとしてみたらいいんじゃないかな、って思います(笑)。
── 平岡さんは不器用なタイプですか?器用なタイプですか?
平岡さん:
不器用とはあまり言われませんが、若い頃は、自分の感情に振り回されがちでした。沈んだ気分のときは、仕事でもどこか引きずっている部分もありましたし…。感情のコントロールという点では不器用だったのかもしれません。
例えば、若い頃は役の心情を想像して自分の中に取り込んでから表現していましたが、今は客観的に見て分析して、出来上がったイメージを自分に貼り付けるという感じです。視点の変化で、感情のコントロールができるようになったのかもしれません。
漫画は人間としての引き出しを増やしてくれる
── ドラマの舞台は少女漫画の編集部&営業部です。平岡さんは少女漫画に対してどのようなイメージを持っていますか?
平岡さん:
少女漫画も含めて、漫画は割と読む方だと思います。話題になっているものや誰かにおすすめされて読むことが多いです。
最近読んだのも『片恋グルメ日記』と同じく、“料理×恋”がテーマなのですが、すごくほっこりして素敵な作品でした。僕が漫画を読んで感じた感覚を、ドラマを観る方にも感じてほしい。原作ものの作品に出演するときには、そういう感覚を大切にしています。
── どんなときに漫画を読みますか?
平岡さん:
自分の中の何か、水が枯れてきたときです。刺激も含めて、引き出しを増やしたいと感じたときに読むことが多いです。ジャンルはいろいろです。『BLUE GIANT』とか『SPY×FAMILY』も『島耕作』も好きだし、最近読んだ『サマータイムレンダ』も面白かったです。
こういう世界があるんだと知ることができるし、世界を広げてもらえるから、ジャンルは絞らず、面白そうな作品は手に取るという感じです。役者としての演技の幅を広げるためというよりも、僕自身、人間としての引き出しを増やすのに読んでいます。
34歳で結婚するつもりだった理由
── 現在37歳。30代を振り返ってどう感じますか?
平岡さん:
30歳になったとき、漠然とですが「大人の男性になりたい」と思っていました。ただ、大人の男性のイメージが分からないまま、今に至っているというのが正直なところです。ずっと34歳で結婚するという目標で人生設計を立てていたのですが、もう過ぎちゃいました(笑)。
34歳までこの仕事を続けることができて、この先もやっていけるだろうと確信できたら、家庭を作りたいと思っていました。家族という新しい人間関係の中で、例えば、子どもができて、子どもが大人にさせてくれるという感覚もあるのかな、というのもあったり…。
── なぜ、34歳だったのでしょうか?
平岡さん:
32か34って言っていた気がします。多分、30代前半のイメージだったのでしょうね(笑)。20代は旅をするじゃないけれど、いろいろなことを経験して首を突っ込んでいこうという気持ちで過ごして、30代になったら次は自分をしっかり確立して…と考えていた気がします。
── 割と、何歳で何がしたい、と計画するタイプですか?
平岡さん:
そうかもしれないですね。でも、大人の男性はいまだに分からないとか言っていますし、目標だった結婚もしないまま、今に至っていますが(笑)。
年下の人との関わりが自分を見つめるきっかけに
── これからの40代をこんな風に過ごしたい、こうなりたいといった目標はありますか?
平岡さん:
40代は社会貢献ができたらいいなという気持ちでいます。
例えば、人生を諦めかけていた人が作品を見て思い直す、そういうことが自分が出演した作品を通じて起きているならば、エンターテインメントをやっている意味があるんじゃないかなと思っています。そんなことができる40代でありたいと思っています。
── 40代に向けての準備としてやっておきたいことはありますか?
平岡さん:
「素敵だね」と言われる人になりたいので、人間的な魅力を身につけられるよう、がんばりたいです。
── 具体策はありますか?
平岡さん:
積極的に後輩に関わっていこうと思っています。
今回の現場でも、兵頭(功海)くんのような年下の人と接することで、自分がどんな大人になるべきか、どういう先輩になるべきかが見えたような気がしました。大人の男性、先輩から学ぶことも多いですが、これからは年下の方たちと付き合うことでたくさんのことを学んでいきたいです。
若い方たちと接することで、尖っていて、周りを見ずに突き進んでいた昔の記憶が蘇ることも多くて。あの頃の気持ちを忘れていないか、今も挑戦しているかと自分に問いかけるきっかけにもなりましたし、刺激をもらえる気がしています。
── 年下の方と接する際には、アドバイスを求められることも多いのではないでしょうか?
平岡さん:
役者同士、お互いの芝居についてコメントはしないほうがいいと思う部分もあって、アドバイスを求められてもなるべくしないようにしています。
どうしてもというときには「僕のやり方だと…」と、付け加えて伝えています。伝え方はとても大事だと思っているので、「例えば」とか「逆に」とかもよく使いますね。「僕が言ったことじゃないけれど…」みたいに、濁しているとも言えますが(笑)。
PROFILE 平岡祐太さん
1984年生まれ、山口県出身。2022年出演作は映画『東西ジャニーズJr. ぼくらのサバイバルウォーズ』やドラマ「今野敏サスペンス 機捜235Ⅲ」、「復讐の未亡人」など。映画『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』が待機中。
取材・文/タナカシノブ 衣装協力/GIORGIO ARMANI(ジョルジオ アルマーニ ジャパン) スタイリスト/石橋修一 ヘアメイク/横山雷志郎(Yolken)