冷え性足もみのバナー

寒い冬はもちろんのこと、1年を通して“冷え”に悩まされている女性もいるのではないでしょうか?「慢性的なものだから仕方がない」と諦めてしまいがちですが、放っておくと不眠や肌荒れ、婦人科系のトラブルなど、体調不良の引き金になることも。そんな冷え症の改善につながる「足もみ」があると聞き、「足もみKMR」院長の和智惠子先生にお話を伺いました。

運動不足で血流が滞り冷え症を招く?

「外出を控えたり、リモートワークで通勤が減ったことによる運動不足で、冷え症になる人が増えています」と和智先生。運動不足によって血流の巡りが悪くなると、体の末端である手足の先まで温かい血液が届かなくなり、冷え症を引き起こしてしまうのだそう。

 

「私たちの体をめぐる血液は、酸素や栄養を体の隅々まで運ぶと同時に、二酸化炭素や老廃物を回収しながら全身を循環しています。血液は心臓から送り出され、重力に従って足先まで下り、今度は足の筋肉の収縮運動を利用して上へ上へと流れていきます。運動不足で筋力が落ちたり歩く刺激がなくなると、血液が上がることができずに下半身で停滞してしまい、冷え症を招いてしまうのです」

 

老廃物とは、体の代謝によって作られた物質のうち、不必要になったものの総称で、尿酸や尿素、乳酸などがこれにあたります。健康な状態であれば腎臓でろ過され排泄物や汗となって排出されますが、血流が下半身で停滞すると、腎臓まで行き着くことができず、下の方に溜まって固くなってしまうのだとか。

 

「足を見たり触ったりすれば、すぐに冷え症かどうかをチェックできます。自分が冷え症だと気づいていない人も多いので、まずは下の項目を確認して、自分の健康状態をチェックしてみましょう」

足裏が黄色、足指が開かない人は要注意!

和智先生いわく、健康な足の条件は以下のポイントでチェックできます。

 

冷え症のセルフチェック

  • 足の指

・手の指と同じように足の指を開くことができる ・適度に温かく、冷たくない ・指先がほっそりしていて、適度に指と指の間が開いている

 

  • 足の裏

・ふっくらと柔らかく弾力性がある ・足裏が黄色ではなくピンク色 ・土踏まずのアーチがくびれ、内側の骨に触れることができる

 

  • 足の甲

・足の骨の形や筋、血管が見える ・くるぶしの骨がくっきり浮き出ている ・むくみもなく、グーの状態にすると、足の指の付け根の関節が浮き出る

 

  • ふくらはぎ

・温かく弾力性があり、指で押してから離すとすぐ元に戻る ・力を抜いた状態では柔らかく、力を入れると筋肉がきちんと引き締まる

 

これらの条件を満たしていれば、健康である証拠。理想は、柔らかさと弾力を備えた赤ちゃんのような足です。冷え症の人は、血行不良によって足の弾力性にかけている場合が多く、足の甲に厚みがなくて骨ばっており、血管や骨が浮き出ている人が多い傾向にあるといいます。

 

「他にも、冷え症の人はひざまわりに老廃物が溜まるケースが多く、ひざのお皿の裏やふとももの下あたりを触って、ゴリゴリとした塊があったら老廃物が溜まっているサインです」

足をもむ前の土台づくりが何よりも重要!

この硬くなった老廃物を、“もみ崩してかき出す”ことで不調を改善するのがKMR式毒出し足もみ®︎。ただし、いきなり老廃物をもみ崩すだけでは「効果は半減」と和智先生。

 

「足には、反射区と呼ばれる体の各臓器や器官とつながっている末梢神経の束があります。冷え症改善のためには、冷えに効果のある反射区のある場所をもんでいけばいいのですが、その前に必ずやって欲しいのが足もみ効果を出すための“土台づくり”です」

 

KMR式毒出し足もみ®︎では、停滞している血流を促進するための「準備もみ」、老廃物を排出するための道筋を作る「基本もみ」、そして最後に冷え性に効果のある反射区をピンポイントでもんでいく「冷え性改善足もみ」の3ステップで、冷えを根本から取り除いていきます。なかでも、重要となるのが“準備もみ”。

 

「準備もみとは、足全体の血液やリンパ液の循環を整え、めぐりのいい体を作るための血流促進マッサージのこと。せっかく反射区をもんで老廃物をもみ崩しても、血液が悪いままでは老廃物をろ過する腎臓まで流すことができず、効果がほとんどなくなります。準備もみというと、重要でないと勘違いをして省く人がいますが、準備もみこそ冷え改善の要。必ず準備もみからスタートしましょう」

足もみの効果をアップさせる「準備もみ」のやり方

さすったりもんだりする回数は決まっていませんが、以下の1〜7までを5分ほどかけて行うのが目安です。それぞれ左足→右足の順に行って下さい。

 

1 鼠径部

ひざを曲げて座り、両手で足の付け根のくぼみあたりを上から下へさする。強くこすりすぎず、やさしくしっかりもむのがポイントです。

鼠蹊部の足もみ

 

2 ふともも

正座の状態から、左足を伸ばして軽くひざを曲げます。左足の太ももにマッサージクリーム(または保湿クリーム)を塗って滑りをよくし、右手をグーの形に握って左足のひざ上に当て、そのまま足の付け根に向かって強めにこすり、老廃物をかき出します。次に、左ひざの内側を右手でつかみ、太ももの外側に握った左手を押し当て、ひざのほうから足の付け根に向かって老廃物をかき出します。反対の手を握り、同様にふとももの内側の老廃物もかき出します。

ふとももの足もみ

 

3 ひざ周り・ひざ裏

左足のひざにクリームを塗り、ひざ全体を両手で包んでひざの皿(膝蓋骨)に沿ってしっかりともみ込みます。ひざの皿周りについた老廃物をはがすイメージで行いましょう。次に、ひざ裏の両サイドの筋の内側に親指以外の4本の指を差し込み、老廃物をかき出すイメージで足の付け根に向かってもみほぐします。

ひざ周り・ひざ裏の足もみ

 

4 ふくらはぎ

左足のふくらはぎを両手で包み込むように握り、親指以外の4本の指でふくらはぎの下からひざ裏に向かってしっかりともみほぐします。次に、両手でタオルを絞るようなイメージでふくらはぎをねじるようにもみ込みます。親指に力を入れてもむのがコツ。

ふくらはぎの足もみ

 

5 内きわ

あぐらを組んで座り、右手の親指を左足のくるぶしの内側に当て、骨に沿わせながらひざ裏に向かってスライドさせながらもみます。

うちきわの足もみ

 

6 外きわ

正座の状態から、左足を伸ばしてひざを曲げ、少し内側に傾けます。左手の親指を左足のくるぶしの外側に当て、骨に沿わせながらひざ裏に向かってスライドさせながらもみます。

外きわの足もみ

 

7 足首まわし

両足を伸ばして座り、左足を曲げて右足にかけます。左足の指の間に右手の指を入れ、しっかりと握ります。左手で左足首をつかんで固定したら、右手を動かして左足首をゆっくりまわします。数回行い足首がほぐれたら、右足も同様に行いましょう。

足首まわしのやり方

次回は、冷え改善に効果大と話題の「基本もみ」を紹介していきます!

 

PROFILE 和智惠子さん

施術する和智先生
足もみKMR/(有)KMR式官足法療法院 院長。7歳のときの交通事故がきっかけで側弯症(背骨が左右に弯曲することで、様々な不調をもたらす症状)になり、一生医者に通い続ける生活になると宣告を受ける。高校卒業後に女優を目指すも、体調がネックとなり断念。1986年に、足もみの本場台湾の官有謀先生に弟子入りし、官足法を習得。その後、従来の官足法に自身がこれまで培ってきたノウハウを取り入れた独自の「KMR式毒出し足もみ®︎」を考案して話題を呼んでいる。『最高の1分足もみ』(宝島社刊)など著書多数。

取材・文/上野真依 イラスト/itabamoe