特徴的なのは、「一斉保育ではない」こと。決まったカリキュラムや時間割はなく、それぞれの子どもたちが、自分のやりたいことを、満足するまでくり返すことができるのです。教室には、基本的な日常生活の動作の練習となる、紐通しやパズルなどの「教具」が並びます。教具を自由に選んで行う活動を「お仕事」と呼ぶのも、モンテッソーリ教育の特徴のひとつ。どの教具にも、それぞれの意味と目的があるためです。たしかに、息子の幼稚園にある教具は、おもちゃとも、知育グッズとも違っており、木のぬくもりのあるシンプルな構造ながら、子どもに「飽きさせずもう一度挑戦したい」と思わせる魅力があるようです。クラスは縦割りが基本で、協調性が育まれます。

 

一年間、モンテッソーリ教育を受けてみて……

息子は1歳後半から2歳後半までの一年間、週に一度、モンテッソーリ教育に触れて過ごしました。モンテッソーリ教育のなかで、「敏感期」とも呼ばれるこの時期。「何かに強いこだわりを見せる」というのが特徴なのだそう。たしかに、食事のとき、食べる順序にこだわったり、なんでも自分の手でやりたがったり、大好きな車のおもちゃを決まった順番に並べないと気が済まなかったり……。いわゆる「イヤイヤ期」で、手を焼くこともありましたが、幼稚園での様子を見ていたからこそ、親子ともども、落ち着いて向き合うことができている気がします。

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モンテッソーリの理念のおかげで、息子は、幼稚園でとことん「こだわり」を突きつめることができたようです。一時間半ほどの保育時間のほとんどを、すべり台をすべり続ける日もあれば、同じパズルをずっとくり返す日も。ほかの子どもたちも、思い思いの仕事に励んでおり、楽しそうでした。次から次へと急かされることもなく、落ち着いた様子の息子を見て、家でもあまり私からあれこれと手出しすることを止めてみました。 月齢的な成長ももちろんありますが、モンテッソーリ教育に触れたおかげで、明らかに息子が「自立したな〜」と思えたことが、いくつかあります。