vol.45 フードロス
育児、仕事、家事、社会のこと、ママたちが普段気になっていることをCHANTOモニターに大調査!ママたちの「どうして?」を「なるほど!」に変える記事をお届けします。vol.45は「フードロス」についてです。
コロナ禍を経て、「フードロス」に注目が集まりました。「フードロス」(食品ロス)とは、売れ残りや賞味期限切れ、食べ残しなどまだ食べられるのに捨てられる食品のこと。農林水産省・環境省の調査では、平成29年度のフードロス量は約612万トンで、そのうちの約284万トンが家庭から出るものとされています。
持続可能な社会が叫ばれる中で世界的にも注目され、日々食事を作る私たちにも関係が深いトピックです。今回は家庭でのフードロスについて、CHANTOモニターのみなさんと考えました。
ママたちの関心の高さは、子どもの頃から育まれた「もったいない精神」?
まず、「フードロスに関心はありますか?」と聞いたところ、「関心がある」50%、「やや関心がある」35%と、合わせて85%が関心があるという高い結果に。
日本では昔からもったいない精神が定着しており、食材の生産者や料理を作った人への感謝のために「食事は残さず食べる」というのがマナーとされています。子どもの頃から食べ物を残してはだめとしつけられて育った人がほとんどなのではないでしょうか。そのため、多くの人がフードロスに興味・関心を持ち、食材の無駄が出ないように日々工夫しているようです。
家庭で行っている工夫を尋ねたところ、「食べられる量を考えて買う」「食品ストックの整理・把握」「冷凍するなど保存方法の工夫をする」「食材を食べ切ってから買い物に行く」など、それぞれのライフスタイルにあった工夫をしていることが見受けられました。
子どもの食べ残しについては、「捨てるのは仕方ない」が3割に
しかし、育児中の私たちだからこその問題もあります。それは「子どもの食べ残し」です。
少し前にも「子どもの食べ残しを食べるべきかどうか」というトピックがネット上で話題になっており、「もったいないから食べるべき」「病気がうつるかもしれないから食べない」などさまざまな意見が交わされていました。
そこでモニターのみなさんに、子どもの食べ残しを捨てることについてどう思うかと尋ねました。一番多かったのは、63%の人が「出来る限り避けたい」という回答です。「もったいないから」「もったいない精神を子どもにも身につけてほしいから」という理由が一番多く、ママ自身が教わってきた食べ物の大切さを我が子にも教えたいという気持ちをみなさん持っていることがわかります。
しかしその一方で、「ある程度仕方ない」(22%)「仕方ない」(8%)と処分するのを容認する意見が3割に及んでいます。その理由としては「子どもの加減がわからないうちは仕方がないと思う」という声、食べ残しを親が食べると「風邪などががうつる」「太る」などママ自身の健康に出る差し障りを心配する声が見られました。
食べ物を大事にすることを教えるのは教育上大切なことです。しかし、小さい子どもの場合、説明してもすべて理解できるわけではないですし、体調や気分などもあり全ての食事を完食させるのは難しいことですよね。食べ残さないよう厳しくして子どもの食への興味を奪ってしまっては意味がありません。
また、ママが食べ残しを食べることで生じる肉体的・精神的負担もあります。食べ残しを食べることがストレスになっているならば、小さい頃は仕方ないという割り切りを持ってもいいのではないでしょうか。
日本に根付くもったいない精神は、フードロスの対策にとても効果的です。しかし、子どもの食べ残しについては廃棄することと自分が食べること、どちらが自分の負担にならないのか考えてみるといいかもしれません。子どもの成長に合わせて食べ物のありがたさを一緒に考えていけたら理想ですね。
取材・文/阿部祐子 イラスト/児島衣里
©️CHANTO調べ 調査期間:2020年10月23日〜11月2日 調査対象:CHANTOモニター79人
参考/農林水産省 食品ロス量(平成29年度推計値)の公表について https://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/kankyoi/200414.html