家事ができず悩む妻

「男性は胃袋でつかめ」と昔から言われていますが、男性も料理や家事をやるようになった今の時代でさえ、料理上手な女性は結婚相手として求められる傾向があります。ただ、「妻の価値はそういうところにはないと思う」という男性もいます。

家事ができない妻。夫はすべてを引き受けた

タケルさん(仮名=以下同・46歳)は、2歳年下のアキコさんと結婚して17年。15歳、13歳、8歳、5歳の4人の子がいます。タケルさんはとある士業として活動していて、友人と共同事務所を経営してもいますが、家庭では家事全般も担っているといいます。

 

「彼女(妻)とは友だちの飲み会で偶然知り合ったんですが、明るいのにときどきふっと寂しそうな表情を浮かべるのが気になっていました。つきあい始めてから、彼女が幼い頃に両親の離婚によって親戚をたらい回しされて育ったことを知りました。それでも仕事をしながら大学の二部を卒業。自立しながらも、どこかバランスが悪いというか脆さを感じて、僕がなんとかしてあげたいと思ったんですよね」

 

1年つきあって結婚を申し込みましたが、当初、アキコさんは結婚には消極的でした。自分が家庭の温かさを知らないから、結婚するのが怖いというのです。

 

 

「僕が全面的に引き受ける。きみは好きなように生きて笑ってくれればいい、なんてかっこいいことを言ってしまいました」

 

結婚してからも彼女は仕事を続けました。家事は苦手だったようで、洗濯機は回せても干し方は適当だし、部屋にホコリがたまっても平気な様子。料理もやるようですが、味つけが「なんだか変」だったそうです。最初は食洗機や家電製品を買いそろえて、お互いが家事をしやすいようにと考えたタケルさんですが、妻にとって家事は苦痛でしかなかったそうです。子どもが生まれると、妻は子育てに夢中になりました。