80代の義父、70代の義母、そして私たち夫婦と、思春期を迎え始めた二人の子ども。

 

世代同居生活も十数年目を迎えた我が家ですが、同じような環境で子育て中の方と話をするとよく話題にあがるのが、義父母世代とのジェネレーションギャップ。その中でもとくに、ジェンダーギャップ、いわゆる男らしさ、女らしさについての意識の違いです。

 

宇宙飛行士は「男の子」と信じている義父

義父母は、親の決めたよく知らない相手と結婚することも珍しくなかった世代。義父に至っては終戦の日の記憶があるというのですから、私たち夫婦、まして令和を生きる小学生や中学生の子ども達とは価値観が大きく違うのは、当然といえば当然なのですが。

 

たとえば、長男である息子に対しては、義父は幼いころよく星や宇宙の本を勧めてきました。息子本人が、天体にはまったく興味を示さないにも関わらず、「息子くんは将来は宇宙飛行士になるのかな?」などと、やたらと宇宙を推してくるのです。

 

一方で娘は幼いころから星座や天体が大好き。しかし義父はそれを聞いても「女の子はロマンチックなものが好きなんだね~」の一言。一度も宇宙飛行士になったら?などと勧めたことはありません。男の子の将来の夢=宇宙飛行士!なんという昭和ステレオタイプでしょうか。背景にアポロ11号の月面着陸の映像が浮かんでくるようです。

 

また義母も、息子、つまり私の夫が帰宅した時には私や子どもたちに「ほらお父さんが帰ってきたよ、お出迎えしてあげて」と言うのですが、私が仕事から帰ってきても、とくに出迎えを促してくれたことはありません。さらに夕飯時に夫が帰宅すると私に「ご飯よそってあげてよ」と言うのですが、私がたまに遅く帰っても誰もご飯をよそってはくれません。

 

義父母は、その年代からすると随分進歩的な考えを持っているし、だからこそ私も一緒に暮らしていけるとは思うのですが、やはりどこかで「男は外で大きな仕事、女は家でこまごました家事」という価値観が刷り込まれているんだなぁ、と実感することが多いのです。

 

義父母と同居を始める前に、私はその点を心配していました。義父母と一緒に子育てをすることで、子どもに前時代的なジェンダー意識を刷り込まれてはしまわないだろうか?

 

男の子らしく、女の子らしくと抑圧を受けて育つことにはならないだろうか?