みなさんは法律について、どのくらい知っていますか?
法律は、ざっくり言ってしまえば「国民が守るべき決まりやルール」です。知っていれば、目の前で起きていることが「当たり前」なのか「法律違反」なのか考えることができますよね。
実際に訴訟や裁判を起こすケースは少なくても、知識はきっとあなたの力になってくれます。
ママにとって身近な”モヤモヤ”に関する法律を、女性のための法律書『おとめ六法』著者で弁護士の上谷さくらさんに教えていただきます。
夫の要求が脅迫めいて…
「産後いつからセックスできる?」と夫に聞かれ、困惑した経験はありませんか。
産後の女性は体の変化と赤ちゃんのお世話で、体力気力ともに消耗しているもの。性欲がわかない人は多いものです。
でもそんな女性の体や気持ちに配慮せず、「週1回はしたい」と身勝手に強要したり、「させてくれないなら、浮気をしても文句を言うなよ」と脅迫めいたことを口にする男性もいます。
もちろん妻だって、夫と仲良くしたい気持ちはあるけれど、体ばかりを求められたり、断るとすねたりキレたりされては、夫婦関係にヒビが入る原因にもなりかねません。
夫婦間でのセックスの強要について、法律ではどう解釈されるのか、上谷さんに聞きました。
【刑法第177条】脅迫して強要されればレイプ
夫から過度にセックス を求められるというのは、実は産後直後の女性にとても多い相談です。
女性は新生児の育児で大変だし、眠れないし、とてもそんな気になれない。体も受け入れる準備はできていないですよね。
なかには「俺は生まれるまで我慢して待っていたんだ」「応じるのは妻の義務だ」などと言う男性もいるようです。非常に残念なことですね。
女性の体は産後はホルモン的にもセックスに応じにくいですし、精神的にも赤ちゃんがいると落ち着かないでしょう。男性には、女性の体や精神面の負担を、ぜひ勉強してほしいところです。
脅迫などをして望まないセックスの強要をすることは、たとえ夫婦間でも性暴力(レイプ)となり、刑法第177条で、5年以上の有期懲役に処する、とされています。
育児や仕事でヘトヘトなのに強要されるなど深刻な場合は、この法律を思い出してください。