肩書きの数が人生を豊かにするわけじゃない!

「ふたりで楽しく生きていこうと言ったのに、どうしちゃったの?と夫が言ってくれて。あ、そうだったと目から鱗が落ちたような気分でした」

 

ミユキさんは現在、刺繍の個人レッスンを受けています。休んでいたスポーツジムも、個人トレーナーをつけて通い始めました。

 

「あやうくひきこもってしまうところでした。子どものいない無職の専業主婦で何が悪いんだと開き直れたらいいんですが、なかなかそうはいかなくて。でも私はこの状況の中で、少しでも楽しく生きていきたいと今は思っています」

 

A社勤務、Bちゃんのママ、といった肩書きのようなものがたくさんあればあるほど充実した人生のように思いがちですが、本当に満たされているかどうかは自分の心が決めることなのかもしれません。

 

孤独を感じ始める女性
自分らしい生き方を取り戻した女性

 

この連載はライターの亀山早苗さんがこれまで4000件に及ぶ取材を通じて知った、夫婦や家族などの事情やエピソードを元にストーリーを紡ぐコラムです。

文/亀山早苗 イラスト/もちふわ