孤独を感じ始める女性

結婚したら早く子どもを作りたいという気持ちが強く、これを機に仕事を退職する女性は今の時代でもいるでしょう。ただ、誰もがすぐに子どもができるわけではありません。そんなとき、その女性の立場は「無所属感が強く」なるそうです。

不眠でうつ…その時、プロポーズされ寿退社を決める

ミユキさん(41歳)が結婚したのは30歳のとき。2年つきあっていた彼からプロポーズされ、「実は渡りに船だったんです」と彼女は笑います。

 

「仕事は楽しかったんですが、1年前に上司が替わり、私とは相性が悪くて…。このままやっていくのはつらいと思っていました。3か月後には朝起きると胃が痛くなり、半年後には眠れなくなって。社内の産業医に相談したら、うつ状態だからと休職を勧められました。そんなとき2年つきあっている彼から結婚しようと言われたんです」

 

 

彼には会社のことを愚痴として話していましたが、もしかしたら彼は彼女の気持ちを慮ってくれたのかもしれません。仕事を続けるかどうかは、「もちろんミユキ次第だけど、まずは少し休んだほうがいいよ」と言われ、彼女は辞める決断をしました。

 

「正社員だからもったいなかったけれど、あのときはもう心身ともにボロボロでした。彼は高収入だったし、しばらくは専業主婦もやってみたいなと思ったんです。そのときはすぐに子どももできるはず、と何の根拠もなく信じていました」

 

専業主婦で子どもなし。私の居場所って…

ところが結婚はしたものの、なかなか子どもに恵まれません。それでも、夫の両親が頭金を出して買った新築マンションに住み始めたので、それまでできなかった料理に凝ったり、インテリアを考えたりするのが楽しかったといいます。

 

「ただ、夫は平日はほとんど家で夕飯をとらないんですよ。だから凝った料理も週末限定。私も独身の友人に会ったりしていましたが、『ダンナさん、放っておいていいの?』とか『子どもはまだ?』とか言われるのがつらくて、だんだん友人にも会わなくなりました」

 

同じように新婚でマンションに入居してきた女性たちが、次々と赤ちゃんを抱いているのを見てせつない思いをしたこともありました。30代は孤独な時代だったとミユキさんはため息をつきます。