
イライラしている人や怒っている人が近くにいると、すぐ動揺してしまう。騒音やまぶしい光が苦手。他人に深く共感しすぎてしまう。なぜだか軽く見られてマウントを取られてしまう…。もしもそんな悩みを抱えているのなら、それはあなたが「敏感すぎる」HSP気質の持ち主だからかもしれません。
HSPは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン:非常に繊細な人)の略で、心理学者のエレイン・N・アーロン先生によって1996年に提唱された概念です。
HSPの自覚がある、もしくは「私はHSPかもしれない」と感じているママが、自分のよいところを肯定しながら、周囲の人々と向き合っていくための心持ちを専門家に伺います。
独身時代の友人との距離感がわからない…

結婚してママになると、独身の友人と話が合わなくなる、というのはよくあること。
忙しい育児の合間をぬって、なんとか友人たちとランチの時間を作っても、仕事やトレンドスポット、恋バナの話題ばかりでついていけない…なんてことも。
お互いライフステージが変わり、中心となる話題が違うことは頭で理解していても、少し寂しくなってしまいますよね。
また、「子どもがいるとしばらく一緒に何もできないね〜」という悪気のない一言がずっと引っかかり頭から離れない人もいるかもしれません。
HSP気質の人が「友人関係の変化」に対応するには、どうすればいいのでしょうか。十勝むつみのクリニック院長・長沼睦雄さんに聞きました。
苦しい関係は、泥の中にいるのと同じ
女性は結婚、妊娠、出産などライフステージが変わるタイミングが多いものです。友人間でも取り巻く環境がバラバラになり、摩擦が起きやすくなるのは女性特有の悩みかもしれません。
多少のズレを感じても気にせずにいられる人もいれば、HSP気質の人のように周囲と自分のギャップに思い悩んでしまう人もいます。
HSP気質の人は不安や恐怖を感じる神経系が過度に働いてしまいます。そのため、物事に対して恐怖心を抱きやすいのです。
仲が良かった友人との関係で悩みを抱えるとき、こんな恐怖心はないでしょうか?
- 自分が拒絶される恐怖
- 見捨てられる恐怖
- ささいなことで相手が嫌いになる恐怖
「どうして私はみんなのように会話に入れないんだろう」「私だけこの輪から外れてしまったらどうしよう」
そんな不安や恐怖を抱きつつ、わからない話題にもニコニコうなずき、ついていこうと必死になり結果として疲れてしまう。その人にとって辛い状況を、私はよく「泥の中にいる」と説明しています。楽しいはずの友人とのランチが、帰り道はとても暗い気持ちになっていたとしたら、それはまさに「泥の中にいる」状態です。
もし「ここにいると苦しい」と感じるなら、そこはあなたにとって今いるべき場ではないのでしょう。
泥の中に居続けても、泥が溜まっていくだけ。きれいな水がある場所を見つけてそこに身を置き、心を落ち着かせることが必要です。