共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。

 

女性社員が多く活躍し、マネージャー職を務める女性社員も約50%と高い比率を維持するイケアジャパン。今回は、サービスオフィス・セリング部門所属の志村紗理さんにイケアジャパンでの働き方について伺いました。キャリアを自ら選択する「オープンイケア」の制度を利用しての異動と、自発的な学びの姿勢でコアエリアマネージャーとして働く志村さんのスタイルから見えてきた「イケアらしさ」とは?

 

PROFILE 志村紗理さん

2006年入社。イケア・ジャパン、サービスオフィス、セリング部門所属。コアエリアマネージャーとしてイケア商品の販売戦略を立てる。10歳と7歳のお子さんの育児と仕事を両立。

外国の子育てを身近に感じられることも、育児と仕事の両立を見直すきっかけに

――志村さんは二人のお子さんの育児をしながら、コアエリアマネージャーとしての仕事を両立していらっしゃいますね。イケアジャパンでは女性社員が多く活躍している印象ですが、育児と仕事の両立のしやすさはどのようなところにあるのでしょうか?

 

志村さん:

イケアジャパンでは、育児と仕事を両立している人も、子育てがひと段落したという人も多く、子育てへの理解は深い職場ですね。私が長女を出産して復帰した当時は、埼玉にあるIKEA新三郷に勤務していました。ストア勤務はシフト制が基本なので、当初「突発的な休みは難しいかな」と思っていたのですが、実際に子どもの急な体調不良などでお休みをもらうときに「休みにくい」と感じたことは一度もありませんでした。みんな「お互い様」という支え合いの気持ちがあるからだと思います。

 

また、仕事の休憩時間などで、職場の仲間たちと家族の話をすることも多く、子どもの習い事や家族の近況報告なども活発です。お互いの家族のことや状況を知っていれば、何かあった時に、一層支え合おうという気持ちになれると思うんです。社員同士のコミュニケーションも働きやすさに直結していると思います。

 

――コミュニケーションが良好であることが、「助け合おう」という気持ちにつながっていくのですね。

 

志村さん:

そうですね。それから、イケアジャパンでは男性も育児に積極的な印象です。スウェーデンやドイツのオフィスから日本のサービスオフィスにきている人も多いので、外国人男性の子育ての姿勢を間近に感じることができますし、日本人の男性社員もインスパイアされている気がします。

 

わが家の場合、子どもの体調不良時の通院、予防接種の予定などの「子どもの健康管理」については、夫ではなく私が任されているんですが、同僚のドイツ人男性がお子さんの通院などもケアしている姿を見て、夫婦間の役割分担のバランスを改めて考えさせられたりしました。インスピレーションを受ける存在が近くにいるということは男性の育児参加や、女性が自分らしく働くための近道かもしれませんね。

 

――イケアでは、面接の際に「経歴だけにこだわらない」と伺いました。スキルや経歴だけでなく「人そのもの」に重きを置いた採用が、職場の環境づくりにもつながっているのでしょうか。

 

志村さん:

私も面接する側の立場を経験していますが、学歴や経歴よりも、「どんな人か、どんな考え方か」という人間性を重視しています。2〜3回の面接で、相手の本質を引き出すのは難しいことですが、働く人数も多い分、人間性重視の採用は、働きやすさにもつながっているはずです。一緒に働く仲間が、同じ価値観を持っているからこそ、「自分らしく」働くことができるんだと思います。

 

――育児と仕事を両立する上で「あってよかった!」という制度はありますか?

 

志村さん:

基本的な休みなどの福利厚生やバックアップ体制もしっかりしているので、子どもが病気をした時の看護休暇も安心して利用させてもらいました。

 

今から数年前に、「半日単位で取得できる看護休暇」が制度化されたのですが、これが働くママには嬉しい制度で。丸一日休まなくても良いとき…たとえば、子どもが熱を出した時などで、「午前中に病院に連れて行って、午後は祖父母に預けて仕事に行ける」といった時に重宝しています。