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機能性やデザインからファンが多い腕時計「G-SHOCK」などの電子商品を扱うカシオ計算機。2010年に「時間有給休暇制度」を導入すると、当初想定していたよりも多くの社員から反響がありました。制度を導入することで社内にどのような変化が生まれたのか、有給や半日休暇との使い方の違いについて、人事制度に携わる庄司真一郎さんと小森聡美さんに話を伺いました。

 

PROFILE 庄司真一郎さん

カシオ計算機株式会社人事部人事戦略グループ所属。経営管理部、ハンディーターミナルやカシオペア(ハンドヘルドパソコン)の営業企画を経て、人事部に異動。2015年から労政、および人事制度企画を担当する。

 

PROFILE 小森聡美さん

カシオ計算機株式会社人事部人事戦略グループ所属。人事部にて人事異動・組織変更や評価制度運営担当、人材育成担当を経て、現在は人事制度の企画推進を担当する。 

一度は導入を見送った「時間有給休暇制度」

──カシオ計算機では、社員が一時間単位で有給を取得できる「時間有給休暇制度」を取り入れています。この制度を取り入れることになったきっかけを教えてください。

 

カシオ計算機の時間有給休暇制度

 

庄司さん:

実はこの制度の導入には、紆余曲折があります。2007年に、育児中の社員から「急に子どもの熱が出た際に病院に連れていくために、有給を時間で分割取得したい」という要望がありました。人事部でも一度は検討したのですが、当時の労働基準法では、法定を上回る有給の範囲で実施する方法しかありませんでした。

 

育児世代は、勤続年数が浅い社員が大半です。つまりそもそもの有給日数が少ないため、

仮に時間有給を認めても、活用できる日数がそもそもほとんどないことが判明したのです。

これではせっかく導入してもあまり意味がないのではと、一度は導入を見送りました。

 

それから2010年に労働基準法が改正され、「労使協定により、1年に5日分を限度として年次有給休暇を時間単位で取得すること」が可能となりました。「機は熟した」と法律にも後押しされる形で、正式な制度導入に踏み切りました。

 

小森さん:

子育てしている社員は、通常保育園や学校から連絡があると会社を出てそのまま子どもをお迎えに行き、病院に連れていくケースが多いです。もし夕方の定時間際に早退する場合でも、当時は半日休暇を取得しなければいけない状況になっていました。限りある有給をそのために使うのはもったいないと感じる社員が多かったのです。

 

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