夜泣きで病気を疑ったほうがいいケースもある 

——良い体のリズムをつくるためには、ふだんの生活リズムを整えることが大事なんですね。「眠りを妨げる状態のある体質」というのはどういうことでしょうか?

 

菊池先生:

お母さんを悩ませる長期間持続する夜泣きの原因に、「眠りを妨げる状態のある体質」があります。夜泣き外来や小児科では、まず赤ちゃんの体調を確認します。以下の症状が出ていると、赤ちゃんの眠りを妨げるので注意しましょう。

 

鼻が詰まっている

鼻が詰まっていることが原因で、息苦しくなる場合があります。1歳までは、乳首を加えたまま呼吸出来るように鼻呼吸する体の構造になっています。そのため、鼻が詰まったら、口呼吸をうまくできません。こまめに鼻吸い器で鼻水を吸ったり、耳鼻科で診てもらうのがおすすめです。

 

いびき、ゴロゴロ、ゼイゼイ、ヒューヒュー音がする

音を立てながら眠る場合は、鼻・咽喉・気管・気管支・肺の呼吸器系統の病気の可能性がありますので、小児科に相談が必要です。また、下あごが小さくて寝苦しくなるケースも考えられます。下あごの発達が弱いと、舌が咽喉の奥に落ち込みやすく、眠りが浅くなり夜泣きになる場合があります。体の成長とともにあごが発達して治りますが、歯並びにも関係しますので、小児科や小児歯科に相談してください。

 

ちょっとした音や光が夜泣きを招く

——そのほかにはどういったことが考えられますか?

 

菊池先生:

(年齢的な感覚の)敏感さ」があります。たとえば、子どもにとってわさびや辛子は刺激がありすぎます。でも、大人になると心地よく感じることがありますよね?子どもの感覚は敏感です。味だけでなく、光もそのひとつ。夜、カーテン越しの街頭の光に反応して起きる子どももいます。その場合は、遮光カーテンを使って寝室に光が入らないように工夫するといいですよ。このほか、わずかな音が気になったり、着るパジャマの素材が気に入らないなど、不快の感情を言葉で伝えられないので泣いて伝えるわけです。

 

——感覚に敏感な子どもに対して、どんなことに気をつければいいでしょうか?

 

菊池先生:

よくあるのが“暑くて”起きてしまうパターンです。赤ちゃんは新陳代謝が活発で体温が高く、大人が予想している以上に暑がりです。大人は快適でも、赤ちゃんにとっては不快な室温ということはありえます。たとえば、蹴っ飛ばしたタオルケットを、かけ直していませんか?それは、赤ちゃんの「暑い」サインです。着せすぎていないか確認するのも手です。