音楽や動画など毎月定額のお金を払うことで使い放題になる「サブスクリプション・サービス(サブスク)」。便利だからと、あれもこれも気軽に入った結果、使っていないのに毎月お金を払っている人も少なくないようです。そんな「サブスク貧乏」にならないためのコツを、家計再生コンサルタントの横山光昭さんに教えてもらいました。 

おもちゃや洋服までサブスクできる

定番の動画や音楽に加えて、電子書籍の読み放題、ゲームの遊び放題。最近では、カフェの利用やおもちゃやファッションの定額利用まで、サブスクは広がっています。

 

新型コロナの影響で自宅で過ごすことが増え、利用者も急増しているようです。家計簿サービスを運営する「Zaim」の調査

(※1)によると、20205月のサブスク契約利用者数は20196月と比べて264%も増え、利用金額も2.4倍に拡大したそうです。

 

私も、動画の配信サービスや雑誌の読み放題サービスなどを利用しています。ただ、サブスクは、便利な反面、ムダ遣いの温床になるとも感じています。

損する原因のひとつに、あのうっかりが…

入会したけれども、あまり使っていない。だけど、解約するのも忘れて、お金をズルズル払い続けていたということが起こりやすいからです。中には、「入会したことさえ忘れて、お金だけが引き落とされていた」という人もいます。

 

一つひとつのサービスは安価でも、複数のサービスを利用すると、それなりの料金になります。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査

(※2)によると、1カ月あたりのサブスクの利用料金は1000円以下が最多の43.3%ですが、2000円以上を支払っている人も26.5%に上っていました。

 

月あたりで見ると安く感じますが、チリも積もれば山で、年間に直すと2~3万円になります。せっかく他のことで節約していても、サブスクでムダ遣いをしていては、プラスマイナスゼロ。使っていないサブスクがないか、時折点検しましょう。

夫婦で同じサービスに入っていたら注意!

サブスクの状況をチェックするには、まず、どんなサービスを使っているのか、一覧表をつくります。

 

そして、使っていないサブスクがないかどうか、月1回程度、定期的にチェックしましょう。「サブスク点検の日」をカレンダーのリマインダー機能で知らせるようにすれば、忘れずに済みます。

 

一覧表をつくるもう一つのメリットは、家族間で、同じサービスに重複して入っていることに気づくことです。ものによっては、一つに絞っても良いかもしれません。

割引率が高い「年契約」にも落とし穴が…

サブスクで損をしないためには、契約期間を「年単位」ではなく「月単位」にすることも検討しましょう。

 

サブスクは、年単位で契約したほうが、利用料が安くなる場合があります。そう考えると、年単位で入りたくなりますが、途中で辞めたくなった時に、残りの分は返金されません。長く使い続けるか分からない時点では、月単位で契約した方が無難です。

 

また、年単位の契約だと、「これだけ払ったから、途中で辞めるのはもったいない」と結局ズルズル入り続けてしまうことにもつながります。それで解約をし忘れて、さらにもう1年分、利用料が引き落とされたら、さらに余計な出費をすることになります。

 

やめたいと思ったサービスはすぐにやめた方が、お金のムダづかいをしないで済むでしょう。

 

※参考1/「『Zaim』購買データ分析」(2020年6月)https://zaim.co.jp/news/archives/5868

※参考2/三菱UFJリサーチ&コンサルティング「サブスクリプション・サービスの動向整理」(2019年12月)https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/internet/pdf/caution_internet_200319_0001.pdf

 

 

監修/横山光昭  取材・構成/杉山直隆 イラスト/村林タカノブ