©︎2020 映画「水上のフライト」製作委員会

 

公開中の映画『水上のフライト』。走り高跳びで世界を目指していた主人公・遥が、不慮の事故で将来の夢を絶たれてしまう。心を閉ざし、自暴自棄になっていたときに、カヌーに出会い新たな夢を見つける姿が描かれます。

 

CHANTO WEBでは、遥にカヌーの楽しさを教えるコーチ・宮本浩役の小澤征悦さんにインタビュー。現場でもコーチのような立ち位置だったという小澤さんに、撮影現場の雰囲気やカヌー練習時の思い出、さらに理想のコーチ像について伺いました。小澤さんの子ども時代のお話、印象に残っているご両親の子育て方針についても教えてもらいました!

 

—— 兼重監督が「すべての登場人物の父親的な役回り」の宮本役には、小澤さんしか浮かばなかったとおっしゃっています。

 

小澤さん 

ありがたいですね。多分、冗談でしょうけれど(笑)。この作品には、体が不自由になった主人公の再生の物語という大きなテーマがあります。大きな愛情を根底に置き、明るく支えることを意識しました。監督と話し合って、湿っぽくならないように演じました。

 

©︎2020 映画「水上のフライト」製作委員会

 

—— シリアスな雰囲気を予想していたのですが、作品からは前向きでポジティブな印象を受けました。

 

小澤さん 

カヌーシーンの撮影中に、モデルになったカヌー選手が練習で通りかかったんです。「今日はこの辺りを通るかもしれないよ」なんて話をしていたので、見かけたときには「本物だ!」って思わず声をかけてしまいました。中条さんを指さして「こっちは偽物です!」なんて笑いながらお話させていただいたときに、ポジティブなオーラを感じました。明るくて、強くて、前向きで。そんな雰囲気が映画で出せたらいいなと思っていたので、作品を観てそう感じてもらえたのはすごくうれしいです。

 

—— 宮本役はどのように作り上げていきましたか?

 

小澤さん 

出した意見をきちんと拾ってくださる監督なので、シーンごとにたくさん話しました。演じていく中で「昭和な感じ」を出しましょうということになって。 遥がカヌーをやろうと決意したときに、宮本が「バッチグーだと思う!」と返答するシーンがあります。思いついて言ってみたフレーズでしたが、監督が「いいね、それ」とよろこんでくれて。昭和を知らない遥や子どもたちはポカーンとして理解できていない。そこも含めてすごく宮本のキャラクターが出ているシーンです。ベーシックな部分は監督が作り、僕がちょっと肉付けする形で、宮本が出来上がりました(笑)。

 

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