望みが叶えば幸せに戻れる？
「もし、自分が同じ立場になったらどんな望みを持つだろう」
父親、母親、妹、それぞれの気持ちも分かるからこそ、何が正解なのかと考えさせられます。SNSでの拡散、噂や憶測に振り回される人々など、現代社会がとてもリアルに映し出されている本作。実際に同じ立場になったら、真実にたどり着くまでに精神が崩壊してしまうのではないか、という不安にも駆られます。
誰の望みが叶ったとしても、たとえ真実にたどり着いたとしても、すべて元通りになるわけではありません。受け入れ、前を向いていくためにも支え合って生きていくことが大切だと改めて感じます。家族の絆、家族のあり方、そして現代社会との向き合い方を見つめ直す、そんなきっかけにもなりそうな作品です。
文／タナカシノブ
