—— お互いの演技はご覧になっているのでしょうか？
川島さん
田村が先にアフレコをしたので、その録音を聞きながらアフレコをしました。田村のアフレコに同行したマネージャーから「すごく良かったんですよ、田村さんのアフレコ」と聞いていて。実際に録音を聞いたら、キャラクターになりきっていて、いいところで高いキーのいい声が出ていました。その声を聞いて緊張がほぐれました。「田村さんの声に合わせて歌いましょう」と言われて歌ってみたら、ちゃんとハモれていたし、すごくホッとしました。
田村さん
俺は何も意識せず、ただ歌っただけ。あとは合わせてもらった感じですね（笑）
—— 機関車と客車という関係性は、麒麟というコンビ性と重なった部分もあったのでしょうか？
川島さん
ベッペは客車なので、エンジンを積んでいるわけじゃない。だから僕が引っ張らないとあかんわけなんですけれど……。
田村さん
そこがまさに麒麟状態！
—— なるほど（笑）。トーマスの映画に参加したことで、子ども向けの作品に関わることに興味が出たりしましたか？
川島さん
お話をいただければ、何でもやりますよ（笑）。今回はまず、キャスティングしていただいたことに、感謝したいですね。
田村さん
あるイベントにゲストで参加したときに、プリキュアと共演したんです。記念写真を撮って家族に見せたら娘の反応が尋常じゃなかった。僕は家事や育児が得意ではないので、娘からは頼りないというイメージを抱かれています。それこそ、幼稚園の見送りに行ったら「タオルはココ、バッグはココ」と置き場所をひとつひとつ教えてくれるくらいに。仕事の力を使ってでも威厳を取り戻したい！ 僕の威厳が取り戻せる仕事、お待ちしています。
—— 家事や子育てはどんな風に参加していますか？
川島さん
基本的には奥さんがやってくれていることが多いですね。でも、なるべく早起きして遊べるときは遊ぶよう心がけています。お母さんといる時間が長いので、お父さんでしかできないことを見つけるようにしています。最近買ったトーマスの水鉄砲は、上手に遊ぶにはちょっとしたコツとパワーが必要で。めちゃくちゃ練習して使い方をマスターし、娘に披露しています。あと、掃除は得意なので、率先してやっています。一人暮らしの頃から、コンロの掃除をするのが大好きだったので、そこは積極的にやっていますね。洗剤を使って油汚れが浮いてくる様子を見るのが好きなんです。
—— 子育ての悩みはありますか？
川島さん
娘はりんごジュースがめっちゃ好きなんですけど……。お取り寄せした100パーセントのおいしいりんごジュースしか飲んでくれないんです。1回おいしいのを飲ませちゃったら、もうだめですね。中身を入れ替えて飲ませても気づきました。
田村さん
味が分かるんやな。
川島さん
りんごジュースに関してですが、舌を肥えさせるのが早かったと思っています。
田村さん
うちは葉とらずりんごのジュースが好きやけど、基本的には何でも飲んでくれる。最近はカルピスにハマっています（笑）。子育ての悩みかどうか分からないけれど、下の子がちょっと前から僕のことを「うんちくん」と呼ぶのが悩みではあります。
川島さん
それ、奥さんがそう呼んでいるんじゃないの？
田村さん
僕の見た目が茶色いからなのか……。ある日突然、言い始めたんです。うれしそうに連呼していたので、理由を訊くタイミングも逃してしまいました。このままずっと呼ばれ続けて「うんちくん、お出かけするよ」なんて言われるようになったらどうしようかな、なんて思っています。
—— 映画のタイトルにあるディスカバリーは発見という意味ですが、子育てで、最近発見したことを教えてください。
川島さん
粘土遊びをしているときに動画撮影しようとカメラを回した瞬間に、娘が流暢に司会を始めて、まるで番組のように進行をしてリアクションを見せたり、粘土で作ったものをアップに見せたりして……。普段はそんな流暢な話し方もしないので、すごく驚いたのですが、どうやらYouTubeで覚えたみたいなんです。たとえ、動画を見ていたとしても、それを実際にマネして、あそこまで完成度の高いものに仕上げるなんて、我が娘ながらすごい、って思いましたね。
田村さん
すべてが発見です。成長の早さを実感しているところです。最近では、僕よりも犬の世話が上手になっていたり、幼稚園の先生のマネをして、日に日に大人っぽいことを言うようにもなっていて、その変化を見るのをすごく楽しんでいます。この前まで描けなかった絵が急に描けるようになったり、「いつ覚えたんだろう」って思うことがたくさんあります。5歳なのにひらがなもカタカナも読めるんです。先日、初めて聞いた曲を、メロディーはぐちゃぐちゃだったけど、歌詞だけしっかり歌っていたんです。「この子、歌詞が読めているんじゃない？」って話になって。文字を追って歌っていたんですね。もしかしたら、むっちゃ天才かもしれないです！
川島さん
親バカ発揮やな（笑）。
※お二人のお子さまの年齢は2020年2月取材当時。現在は、田村さんが3児のパパ、川島さんが2児のパパ。
川島明（麒麟）／ タレント
1979年生まれ。京都府出身。NSC大阪校20期生。1999年に田村裕とともに、漫才コンビ・麒麟を結成。「ウワサのお客様」、「BACK TO SCHOOL」などMC出演。「林修のニッポンドリル」、「アメトーク！」、人志松本のすべらない話」などに出演。2019年NHKドラマ「なつぞら」に出演。雑誌「NUMBER」、「smart」にて連載掲載中。
田村裕（麒麟）／ タレント
1979年生まれ。京都府出身。NSC大阪校20期生。1999年に川島明とともに、漫才コンビ・麒麟を結成。2007年に発表した自伝「ホームレス中学生」が爆発的にヒット。漫画、映画、ドラマと多角的に展開された。「探偵！ナイトスクープ」、「アメトーク！」などに出演。2019年4月にバスケットボールに特化したYouTubeチャンネル「麒麟田村のバスケでバババーン」を開設。
【STORY】 ソドー島はトラブル続きで、トーマスたち蒸気機関車は大忙し！ そんな時、港で事故が発生!! ティドマス機関庫の蒸気機関車たちは、スチーム・チームを結成してピンチを切り抜ける。そのあと、イタリアで仕事をすることになったトーマスは、「消えた機関車」の伝説に興味津々。迷い込んだ鉱山で出会ったのは…！？
文／タナカシノブ
