—— そんな歌の部分も含めた役作りはどのようにしたのですか?
川島さん
普通の歌ではなく、イタリアの伊達男が歌い上げるというものなので、どんな風に歌おうか考えました。ロレンツォが気持ち良さそうな顔で歌っているのを映像で観ていたら、自分も気持ちよくなってきて。監督が乗せ上手だったこともあり、結果、同じ顔で歌ってアフレコしていました(笑)。アフレコしている間にロレンツォのようにヒゲも生えていたと思います。
田村さん
そのアフレコ、見たかったな。
川島さん
ガラスの壁を背にして歌っていたので、スタッフさんには僕の顔は見られていないと思って、思いっきり気持ちの良い顔で歌っていました。実は、鏡に映ってバッチリ見えていたらしいんですけれど……。もちろん最初は緊張していたけれど、これまでの人生で出したことのないくらいの高いキーも出して、とても楽しかったです。
田村さん
ベッペにはシンパシーを感じる点も多く、地のままでいけました。キャラクターを作ることよりも、自然と楽しくできたという印象です。アフレコのときに実際の歌のキーを確認したら、思っていた以上に高音で。「僕、こんな音出ないですよ」って伝えたのですが「一応、やってみましょう」と言われて。やってみたら、なんとOKをもらえたんです。そのあと何テイクか録ったのですが、最初のが一番良いということで採用されました。
—— 歌の自主練などはしたのでしょうか?
川島さん
めっちゃ歌いにくい難しい曲でした。イタリアの曲に日本語の歌詞をのせてうたうので、ワンフレーズ録音しては確認してを繰り返しながら作り上げました。ストーリーを説明しながら、喜怒哀楽を表現するというのは本当に大変でした。しんどすぎて、トーマスみたいに頭から煙が出ていたかもしれません。
—— 煙が出たり、ヒゲが生えたり、一体化していますね(笑)。アフレコを終えての今のお気持ちを聞かせてください。
田村さん
みなさんに観てもらって、その反応を見ないことには「ほんまにこれでOKですか?」という気持ちのままかもしれません。
川島さん
アフレコで確認するのと、映画館で観るのとは全く違いますよね。みなさんの反応には不安だし、ドキドキしているけれど、楽しみでもあります。うちの子どもは、この作品が映画館デビューになる予定です。
田村さん
僕のところは下の子が今回映画館デビューになる予定です。
—— 本作をどのように楽しんでほしいですか?
川島さん
映画を観終わった後に、僕が歌った歌を口ずさんでくれていたらうれしいですね。うれし泣きしちゃうと思います。自分の子どもじゃなくても泣いちゃうと思います。
田村さん
そんな姿を見たら、抱きしめたくなるなぁ。
川島さん
カツ丼くらいおごってあげたいって思っちゃうね(笑)