仮面ライダー生誕50周年記念作品『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』(12月17日公開)で、仮面ライダーリバイに変身する主人公・五十嵐一輝を演じている前田拳太郎さん。
仮面ライダー史を揺るがす、すべてを超越(BEYOND)した予測不能な物語で主人公を演じるプレッシャーや作品の見どころ、「憧れの存在だった」という仮面ライダーへの想い、さらに撮影現場での思い出を教えていただきました!
「自分に自信があって強いヒーローに惹かれます」
── 子どものころから仮面ライダーが大好きだったとのことですが、ハマった仮面ライダーは?
前田さん:
仮面ライダー響鬼、仮面ライダーカブト、仮面ライダー電王の世代です。それ以前の仮面ライダーもいとこのお兄ちゃんと一緒によく観ていました。スーパー戦隊シリーズも大好きで、セットで楽しんでいました。子どものころは、“かっこいいヒーロー”として憧れていましたが、役者を目指すようになってからは“登竜門”として憧れるようになりました。見方は変わったけれど、仮面ライダーは僕にとってずっと憧れの存在でした。
── 前田さんが“かっこいい”と思うヒーロー像を教えてください。
前田さん:
僕は、弱虫で泣き虫だったので、“THE カッコいい”という、典型的なヒーローに憧れを抱いていました。仮面ライダーカブトは、自分に自信があって強いヒーローに惹かれます。弱虫で、泣き虫で、しかも運動オンチな自分とは正反対なので。
── 弱虫で泣き虫をどのように克服しましたか?
前田さん:
空手をやってきたことが克服に繋がりました。「強くなりたい」「泣き虫を克服したい」とみずから始めたわけではなく、幼稚園の友達が空手教室の体験に行くのについていって。じゃあ、一緒にみたいな感じで始めました(笑)。小学生のころは、全然勝てなかったけど、あまり気にしてなかったです。周りで空手をやっている友達が多かったので、なんとなく続けていました。だから負けても「悔しい」という感情にはなりませんでした。
── 率先して始めたわけではないのに、ずっと続けられた理由はあるのでしょうか?
前田さん:
中学生になるころ「何か他のこともやりたいな」と考えていたときに、「やっぱり空手を続けたい」という気持ちになって、そこから気持ちを切り替えてしっかり練習するようになりました。痛いのは嫌いだし、戦うこともしたくないタイプだったのですが、気持ちを切り替えたら急に「目指すは日本一、全国制覇!」に変わりました(笑)。ぼちぼち勝てればいいと思っていたはずなのに……。
── みずから「やる!」と決めたら、勝ちたい欲が出てきたのですね(笑)。50周年記念作品で仮面ライダーを演じるプレッシャーには慣れましたか?
前田さん:
慣れてきたかなと思っていたのですが、最近プレッシャーがリアルになってきました。芸能界には仮面ライダーファンが多くて、仕事で会った方たちに「観てるよ」とか「仮面ライダーだ!」などと言っていただく機会がたくさんあります。僕からしたら「テレビの人だ!」と興奮してしまう役者やタレントの方たちが目を輝かせて仮面ライダー話をしてくれるんです。今までは作品を観ている人が直接見えなかったのですが、ファンの方も含めて応援してくださる方たちが目の前にいることを実感するようになり、新たなプレッシャーになっています。
ここまで繋いできた歴代仮面ライダー50年のバトンを、次の50年に向けて次の世代に渡していける作品、仮面ライダーにするためにできることを考えながら、日々奮闘しています。
── 『仮面ライダーリバイス』のどんなところに魅力を感じていますか?
前田さん:
“家族”がテーマになっていて、歴代シリーズの中でも珍しい作品になっていると思います。仮面ライダーは、戦いの中のヒーローというイメージですが、『仮面ライダーリバイス』は日常のヒーローという印象があります。実家が銭湯で、家族想いのヒーローって、なんか隣の家にいそうなきがしませんか?カメラの向こうの子どもたちに話しかける感じとかも、すごく身近な存在という感じで大好きです。
子どものころに観た作品でも大人になってもう一度観てみると、感じることが違ったりするので、子どもの目にどう映るのかも想像しますが、大人から見るとどうだろうなどと、それぞれの見え方を想像しながら演じています。
── 五十嵐一輝/ 仮面ライダーリバイ役はだいぶなじんできましたか?
前田さん:
一輝というキャラクターがどんどん分かってくる感覚はあります。だからこそ「一輝ならこうするかも」「一輝ならこういう気持ちかも」という相談を監督にできるようになりました。最初の頃は言われたように演じることに精一杯でしたが、少し余裕が出てきた気はしています。
── 映画の見どころをお願いします!
前田さん:
仮面ライダーが全員集合するシーンです。『仮面ライダーリバイス』と『仮面ライダーセイバー』2つの世界観が同時に全員揃うことを、すごく興味深く感じました。衣装もスーツのモデルもテイストが全然違うのに、みんなで並ぶと“かっこいい”と思うはずです。
── 前田さん自身も、集合のシーンにはテンションが上がりましたか?
前田さん:
もちろんテンションは上がりました。ただプレッシャーもありました。仮面ライダーの先輩たちが集まる中、僕が真ん中に立たなければならないのだから、緊張しない方がムリ。でも、そのプレッシャーが楽しく感じるくらい、最高の気分で挑むことができました。
── 撮影現場では先輩ライダーとどんな話をしましたか?
前田さん:
主に雑談です(笑)。「今度一緒にゲームしよう」とか「今度一緒にご飯行こう」とか。
── 仮面ライダーとしての心得などではなかったのですね(笑)
前田さん:
違いましたね。プライベートな話もたくさんしました。ロケバスの中で「好きな女の子のタイプは?」なんて、男子らしいたわいもない話で盛り上がりました!