「脳過労」の物忘れと「認知症」との違いは?

 

iStock/ avdeev007

 

脳過労の代表的な症状である「物忘れ」と言えば、高齢者によく見られる認知症を思い浮かべる方も多いでしょう。一部では、脳過労による症状を、認知症の初期症状だとする説もあります。 しかし、認知症は脳内に特徴的な物質が蓄積することで発症する、アルツハイマー病や脳卒中の後遺症による脳血管性認知症など「脳の一部に何らかの変化が生じる」ことで発症するもの。

 

一方、脳過労による物忘れは「脳自体に変化が生じることによるものではない」のです。 また認知症による物忘れは、薬物療法などを続けても完全に元の状態に戻ることはありませんが、脳過労はスマホなどを使用しない時間を作ることで元の状態に戻すことが可能です。 これらの違いからも、認知症と脳過労による物忘れは異なるものであると考えられます。

 

脳過労を軽く考えて放っておくと、日常生活に支障を来すような症状を引き起こすことがあります。脳過労が疑われる症状が見られたときは要注意! 現代社会の中でスマホやタブレットの使用を完全に控えることは難しいですが、適度な「デジタル・デトックス」を行うようにしましょう。

 

文:成田亜希子