妊娠・出産はただでさえ大変ですが、周りに理解のない人がいるともっと大変。中には心ない言動を浴びせられる人も少なくありません。ネット上でも様々な女性たちが、“妊娠中に不快に思った出来事”を吐露していました。

 

妊婦さんのお腹を触るのは、今やセクハラ⁈

ある妊娠中の女性は、「知り合いの男性にお腹を触られた」と告白。同様の経験をした妊婦さんは少なくないようで、「いくら知り合いでも体を触られるのは嫌だよね」「自分も義理の兄にお腹を撫でられて不快だった。その時は義理兄の嫁がちゃんと怒ってくれたけれど」と共感の声が寄せられていました。

 

上の世代では特に顕著なのですが、妊婦さんのお腹は「縁起がいいから」などと触られがち。しかしそれはもう古い考え方で、「普通にセクハラだよね」とも指摘されています。中には「同性であっても、いきなりお腹を触られるといい気分はしない」という人も。男女を問わず、妊婦さんのお腹をやたらと触るのはやめた方が賢明です。

 

またデリカシーのない言葉をかけられて、気持ちが沈んでしまう妊婦さんも多い様子。ネット上では「友人から『太った?』って聞かれて、冗談だとわかっていてもイラっとした」「『出産は大変だよ』って、いちいち不安にさせる人は苦手」との声が寄せられていました。

 

母親からかけられた不快な一言とは

妊娠で大変な時は、人生の先輩である“母親”が何かと頼りになるもの。しかしそんな母親から不快な一言をかけられるケースもあるようです。中でもよく耳にするのが、「男の子だといいね!」という言葉。実際にネット上では「お腹の子どもが女の子だって報告したら、喜んでくれたけど『次は男の子ね!』って言われた」「妊娠を母に報告した時の第一声が『男の子?』でがっかり」との体験談を見かけました。

 

“男が家の跡継ぎになる”風潮は昨今聞かなくなりましたが、いまだに似たような考え方をしている母親世代はちらほら。妊婦さんからは、「今の時代、男の子でも女の子でもあまり関係ないでしょ。いくら母親でも家族構成にまで口出ししないでほしい」「そもそも跡継ぎが必要な仕事をしてるわけじゃないのに、なんでそんなに男の子を欲しがるのか謎」など、と指摘する声があがっています。

 

妊娠・出産に関するジェネレーションギャップといえば、“無痛分娩”に対する考え方で、世代間で大きな差がある模様。最近ではお産の痛みをやわらげる無痛分娩を選択する人も増えてきましたが、「母親に『赤ちゃんはお腹を傷めて産むもの』って言われた。昔の人の“自然分娩信仰”っていったいなんなの?」「いくら説明しても、『危ないんじゃない?』って止められる。理解する気がないのかもしれません」と悩む妊婦さんもいるようです。

妊婦さんに優しい社会を作ろう

妊婦さんが嫌な思いをする場所としては、“電車内”もよくあげられています。特に優先席の周りでは、ちょっとしたトラブルが起こりがち。最近は「マタニティマーク」なども普及しつつありますが、「優先席に座ってたら、マタニティマークをつけていたのに『若いんだから、お年寄りに席を譲りなさい』って知らない人に説教された」「マタニティマークをつけて優先席の近くに行くと、露骨に寝たふりをされる」といった声も寄せられました。

 

また妊娠・出産を経験した女性からは、「子どもができるとどうしてもメンタルが崩れるから、ちょっとしたことでもイライラしちゃう」との意見も。厚生労働省の情報サイト「e-ヘルスネット」によると妊娠や出産に伴う女性ホルモンの大きな変化は、ストレスに耐える脳の抵抗力を低下させてしまうそうです。そのためこの時期は、ただでさえ物事を悪く考えがち。にもかかわらず周りからデリカシーのない言葉をかけられたら、たまったものではありません。

 

子どもを出産しやすい社会を作るためにも、少しずつでも妊婦さんの大変さが世間に広まっていくとよいですね。

 

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文/牧野聡子