自己開示することで働きやすさが生まれる
──働き方宣言制度でも感じたのですが、自由な働き方をするためにはある程度の自己開示も必要になってくると感じました。一方でワークとプライベートはきっちり分けるという考え方もあり、サイボウズのような環境を作るのはとても難しそうな印象があります。
山口さん(サイボウズ):
難しいポイントですよね……。自分の希望する働き方をするためには、ある程度自己開示をすると理解を得やすいと思います。どうしてそういう働き方を望んでいるのか、その理由を周りが納得できる形で説明できれば、私もチームのメンバーもお互いわだかまりがありません。そういう意味では、私は自分のプライベートについては結構オープンにしています。
私は子どもの様子をfacebookにどんどんアップしているのですが、そうすることで「〇〇ちゃん、大きくなったね」とメンバーに見てもらえている安心感もあります。普段から子どもについて話していると、学校の行事で早退しなくてはいけないときや、子どもの体調不良で急に休むことになったときに、周りにも納得して受け止めてもらえます。
あとは「子育てスペース」というオンラインコミュニティ上で育児について活発にやり取りが成されていて、雑談や相談に対して経験者の話が聞ける場所があるのが助かりますね。子どもの話題が、他部署との共通の話題になっているという実感があります。
野間さん(サイボウズ):
部活動支援や誕生日会、仕事Barなど、会社としての費用補助制度もありますね。
これは、イベントを積極的にやってみようと思う人を増やす試みでもあります。「これをやるためにあの人を巻き込もう」と、社員が自立して取り組むことでイベントも人が集まります。制度やルールの策定、費用の一部負担などは人事がサポートしますが、日々の活動においてイベント企画などのサポートに人事が入ることはありません。
山口さん(サイボウズ):
そうそう、大体リーダーシップをとって、グループの中心になって動いてくれる人が社内に現れますね。そして、会社としても、そういう人が伸び伸び動けるような環境が整えられています。
野間さん(サイボウズ):
とはいえ、やはり人によりけりで、プライベートな集まりには参加しない社員もいます。そこは個人の選択なので、会社としての無理強いはしません。