共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。
社員全員が自分の働く時間や場所を決める「働き方宣言制度」や、在宅勤務制度を進化させた「ウルトラワーク」など
、多様な働き方を実現してきたサイボウズ。その結果、離職率28%から4%まで改善しました。
誰もが働きやすい環境の作り方や中で働く人たちの意識の変化について、人事制度運営に携わる野間さんと、制度導入前後を体験してきた山口さんに伺っていきます。
※記事の内容は2020年2月取材時点のものです。現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、会社として従業員の出社を最低限とするほか、行政機関への支援、他社のテレワーク導入への情報提供などの取り組みを行っています。
ワークスタイル変革に必要な3つの要因
──サイボウズは、ワークスタイル変革に必要な3つの要因として「制度」「ツール」「風土」を挙げています。この3つを選んだきっかけについて教えてください。
山口さん(サイボウズ):
2005年に、サイボウズでの離職率は28%という過去最低記録を出しました。色々な施策を行った結果、現在は4〜5%まで改善しましたが、その中で社員から「これがサイボウズが上手くいっている要因なんじゃない?」と自然と言語化されたのが「制度」「風土」「ツール」の3つです。
在宅勤務や育児休業などの「制度」は、使う人がいないと意味がありません。多様な個性を尊重する「風土」は、周囲の人が容認する空気が必要です。そして「ツール」は、業務を効率化するためになくてはならないものと位置付けています。
働き方改革の講演やセミナーでも、この3つについて尋ねられることが多かったですね。
サイボウズの中では、誰かがやり始めたことで「これはいい」「共感できる」と思ったことが、社内に広がっていく様子を目にすることが多いです。働き方改革を進めるためには「制度」「ツール」「風土」の3つがそろうことが大事、というストーリーもそんな感じで定着していきました。
野間さん(サイボウズ):
グループウェアは検索すれば誰でも他の人の書き込みやコミュニケーションの記録を見られる仕組みなので、人事の私が営業の書き込みを見ることもできます。他部署の人から「あの資料良かったよ!」という意見をもらったり、「〇〇が良かった」という情報が社内に広がり、根付いていく形が多いですね。