難関校への入学者を多く輩出する「進学校」。レベルの高い授業が受けられるため、「自分の子どもを通わせたい」という親は少なくありません。しかし中には、「子どもが進学校で苦労しないか心配…」といった声も見られます。

進学校では苦労が絶えない!?

とある女性は子どもから「進学校に通いたい」と言われたそう。最初は「希望する学校に入れてあげたい」という思いがありましたが、子どもの学力を考えた時に1つの不安がよぎります。「偏差値の高い学校に入れたとして、その後子どもが苦労する姿は見たくありません…。どのように決めればいいのでしょうか?」と悩みを告白しました。

 

女性の悩みに対して、「親としても進学校に入学させたい気持ちはあるけど、周りのレベルについていけるのかが心配…」「後からつらい思いをしてほしくないし、子どもが『自分は落ちこぼれだ』って感じたらイヤだよね」と共感の声が続出。入学後の苦労を懸念する親は多いようです。

 

実際に進学校を卒業した人たちからは、「親にすすめられて入学したものの、その後すごく苦労した」「周りについていけなくてプレッシャーを感じていた記憶がある」などのエピソードがあげられています。

 

学力が全てじゃない!?

進学校で苦労した人たちの声が見られましたが、「入って良かった!」という人も。ネット上では、「周りの優秀な人たちに触発されて勉強を頑張れたよ」「私は元々勉強ができなかったけど、進学校の環境に慣れていくにつれて自然と学力もアップした」といった声が。また子どもを進学校に入れた親たちからも、「授業のレベルが高い分、塾に通わせる必要がない」「多少の苦労はするかもしれないけど、必死に努力するようになった」というメリットが寄せられていました。

 

進学校に対して様々な意見が上がっていますが、子どもを進学校に進ませるかどうかは悩みどころですよね。頭を抱える親に対して、ネット上では「子どもがどうしても行きたいなら希望を聞くべきだけど、学力よりも人間性を養う方が大事。無理に背伸びさせず、子どもにとって最適だと思う学校に通わせてあげて」「少しだけランクを落として、学年で上位の成績になれる学校の方が自信にも繋がるよ。正直努力次第で学力は上げられるから、あまり進学校にこだわらなくてもいいんじゃない?」などのアドバイスがあがっています。進学校はもちろん魅力的ですが、まずは“子どもにとってベストな学校はどこか?”を一緒に考えていくべきなのかもしれません。

 

学校の先生に影響!?

親だけでなく子ども自身も、「進学する学校選び」には悩まされるはず。例えば大学に進学する場合、学習したい教科を絞って「学部」を決めなければいけません。そのため、“自分に向き・不向きな科目”を考える子どもは多いようです。「この学部が自分に合っている!」と思う基準は、どのような理由からくるのでしょうか? ジュニアドクター育成塾愛媛大学は以前、「現代学生たちの進路選択におけるジェンダーバイアス要因」を公開。15~19歳の男女1051名に“自分が向いていると思う学部”を質問した上で、“なぜそう思うのか”をたずねました。

 

結果を見ていくと、最も多かったのは「深く学びたい学問だから」の21.41%でした。他にも「自分の性格に合っているから(20.27%)」「得意な教科が活かせるから(17.32%)」などが高い割合を占めています。

 

学びたい学問は人によって様々ですが、ネット上では「周囲の影響を受けて自分の向いている学部がわかった」という声もちらほら。そこで同調査では、“自身が影響を受けた人やもの”についてリサーチしました。「特になし(25.02%)」を除くと、1位の回答は「親族(親や親せき)」で15.03%という結果に。「学校の先生」も14.46%で2位にランクイン。家族はもちろん、学校の先生の影響でも“子どもの人生”は変わってくるのかもしれません。

 

どの学校を選択したとしても、子どもには後悔のない人生を送ってほしいものですね。

 

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文/河井奈津

参照/ジュニアドクター育成塾愛媛大学「現代学生たちの進路選択におけるジェンダーバイアス要因」https://xn--cck0aza4a0ck5p7g0416a88tav60f.jp/%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88/