住宅ローンの〝お得な返し方〟について
住宅ローンを組んだらあとは粛々と返済…ではありません。借りたあとも、お得な返し方を実行すればより負担は減らせます。 注目は「繰り上げ返済」。これは返済の途中で「元金部分」を月々の返済以外でまとめて返すこと。元金を返すことで、これにかかる利息を払わなくてもすむのです。 ところが、繰り上げ返済をすると借入残高が減ってしまうので、先に述べた「住宅ローン控除」での還付金
(原則借入残高の1%)も減ることに。 「どちらが得なの?と聞かれることも多いのですが、分かれ目は借りている住宅ローンの金利が1%より高いか低いか」と前野さん。 「金利が1%より低くて住宅ローン控除を全額利用できている場合は、貯蓄を増やしてあせらず待つ。そして、住宅ローン控除が終わった時か、金利が1%より高くなったときに実行するのが効果的です」住宅ローンの借り換えが有効なとき
金利情勢は変化するものです。世の中の金利が下がってきたときは、思い切って借り換えを検討しても。 「過去の金利状況を見ると、今はかなりの低金利。金利が上がり始めると早いため、変動金利で借りた人は、金利の動向に注意して」と前野さん。 借りている住宅ローンよりも低い金利を目指して借り換えをする際は、借り換え費用を含めた総支払額を比べてから実行しましょう。借り換えの目安は3つあります」。
●残り期間が10年以上
●借入金額が1000万円以上
●新しい住宅ローンの金利が今より1%以上低い
この3つの条件がそろったなら、高い借り換え効果が見込めます。具体的な検討に入ってもいいでしょう。
文:のざわやすえ
出版社での編集を経てフリーに。ライター・エディター活動の一方で、主婦雑誌で培った知識をもとに「暮らし方アドバイザー」として、整理収納や家事タスクのアドバイスでも活動中。また、趣味のソーイングではオーダー業も。働きながら育てた一男一女は、この春から高2、高1に。