「無理めな物件」が住宅ローンの落とし穴
住宅購入を検討している人は、無理なく買える物件予算を知ることがいちばん大切。いきなりモデルルームを見てまわり、ローンを試算されて「頭金がなくても買えますよ」という甘い言葉を信じて…「そんな買い方をしたら危険!」と前野さんは警鐘を鳴らします。 「頭金は購入金額の10%を目標に。フラット35という長期固定金利ローンでは、物件価格の1割の頭金があると金利が下がります。ほかにもローンの諸費用として5~10%必要です。家を買って貯蓄ゼロも危険なので、月収の半年分の貯蓄はキープしておくべき」。 住宅を購入すると、固定資産税や都市計画税が発生します。さらにマンションの場合は、管理費や修繕積立金、駐車場代なども。買った後にかかるお金は、ローンの返済額だけではないのです。 「金融機関に借りられる金額と、自分が無理なく返済していける金額は違う。将来の収入や支出の変化を含めて判断しましょう」。 特に関東圏は物件自体の価格が高いので、気がつかないうちに無理しがち。子どもの教育費の増加したことで、無理なく返済できる金額を超えて借り入れてしまう「オーバーローン」になっていることも。
無理なく返せる住宅ローンの金額の目安
では、「返せる金額」はいくらなのかというと、今の家計で「住居費」として使っている予算がまずは目安です。ただし、マンションの場合は、管理費と修繕積立金として全国平均で月2万円が必要です。 毎月の家賃をそのまま返済額とすると、買った後で苦しくなりがちなので注意して。また、会社から住宅手当が出ている場合、持ち家になるとそれがなくなる会社も。勤務先の諸手当も確認しておきましょう。 住宅ローンの返済期間は長いので、その額を返し続けることができるのかも検証すべき。子どもの成長による教育費の支出などは大きいので、しっかり将来のライフイベントを把握しましょう。