全国にはキャラクターが描かれた列車が多数走っています。しかし、キャラクター列車は本数が少なく、タイミングが良くないと見られないことがほとんどです。今回は高確率で「ハローキティ」に出会える特急列車を紹介します。

高確率で「ハローキティ」に出会えるのは特急「はるか」

先に答えを書くと高確率で「ハローキティ」に出会えるのはJR西日本の特急「はるか」です。「はるか」は関西空港と京都(一部は米原)を結んでいる空港アクセス特急です。詳しい説明をする前に「ハローキティ」が描かれた「はるか」を観察しましょう。車両の正面に「ハローキティ」が描かれています。また「Hello Kitty HARUKA」と描かれた文字デザインも洒落ていますよ。

 

今度は運転室側面にご注目。和服を着た「ハローキティ」が歩いています。先頭で写真を撮影する観光客は多いですが、運転台側面で撮影している方は少ないような気がします。個人的にはお得な撮影スポットだと思いますが。

 

ドア横には和服を着た「ハローキティ」が描かれています。「ハローキティ」装飾の「はるか」の特徴は従来のレイアウトを活かしていること。青の正方形は製造当初から存在するデザインですが、「ハローキティ」とマッチしていると思います。

 

車体側面の「ハローキティ」が描かれていない部分は花柄模様が描かれています。バックが白色のせいか、花柄模様がよりくっきりと見えますね。

 

こちらは「はるか」のシンボルマークと花柄模様との組み合わせです。まったく正反対な雰囲気を持つ両者ですが、いい具合に共存しています。

 

車外だけではありません。車内にも「ハローキティ」が描かれています。ほら、ドアの扉にいましたよ。

 

座席のカバーにも「ハローキティ」がいます。このように、「はるか」は「ハローキティ」だらけ。「ハローキティ」ファンにはたまらないのでは。

 

現在、JR西日本では9月から「はるか」の全編成に「ハローキティ」の装飾することを発表。作業が終了するのは2020年春の予定です。つまり、2020年の春になると、確実に「ハローキティはるか」に出会えます。また、装飾は3種類とのこと。どの点が異なるのか、見比べるとおもしろいかもしれませんよ。

なぜ「ハローキティはるか」が誕生したの?

「ハローキティはるか」は関西空港とJR関西空港線が25周年を迎えることを記念して20191月に誕生しました。テーマは「和のおもてなし」。JR西日本の特設サイトによると、キュートでシックなハローキティに、古来から自然の動植物をモチーフに、美を生み出してきた日本の伝統を組み合わせることで新しい「和モダン」を感じさせるデザインとあります。つまり、他では見られない「ハローキティ」に出会えるということです。

 

デザインは「蝶」「かんざし」「折り鶴」の3種類があります。先ほど紹介したデザインは「蝶」で「大人っぽい印象のはるか」が表現されています。

 

ここからは筆者の想像ですが、海外では「ハローキティ」が大人気です。そのため、京都駅では外国人観光客が「はるか」と一緒に写真を撮るシーンをたくさん見かけました。個人的には「ハローキティはるか」が日本と外国を結ぶ架け橋のような役割を果たすことを期待しています。

「はるか」は2020年に大きく進化する?

「はるか」は関西空港の開業に合わせて1994年に登場しました。登場以来、281系が使われてきましたが、いよいよ2020年春に新車271系がデビューします。現在のところ、271系は281系の増結用という位置づけ。投入数は3両編成6本の計18両と発表されています。271系投入後は9両編成での運行が基本となり、座席数は現在の1.5倍に。近年、関西空港を利用したインバウンド客が増えているため、「はるか」も両数を増やすことで対応します。

 

車両デザインは特急「こうのとり」に使われている287系のデザインを基本にしています。塗装やデザインのベースは281系に合わせ、「はるか」としての統一感を大切にします。車内は各座席にコンセントが付き、4カ国語(日本語、英語、中国語、韓国語)表示の大型ディスプレイを装備。荷物置場は客室内に移設することにより、セキュリティも向上します。271系の投入により、より快適な旅が楽しめることでしょう。

 

問題は271系にも「ハローキティ」の装飾が施されるかという点です。Twitterで見る限り、まだ271系には「ハローキティ」の装飾は施されていない模様です。一方、JR西日本は「はるか」全編成を「ハローキティはるか」にすることを発表していますから、271系も同様の装飾になることでしょう。一鉄道ファンとして早く進化した「はるか」に乗りたいですね。

 

文・撮影/新田浩之