2019年後半は、“家族の絆”を描いた映画が次々に公開されています。忙しい毎日を送っていると、なかなかじっくり考える機会も少ないものですが、映画を通じて、家族の絆を見つめ直したり、関係性について考えたりするのもいいかもしれません。
映画『ひとよ』
子どもたちを守るための母親の決意
タクシー会社を営む稲村家の母・こはる(田中裕子)は、どしゃぶりの雨降る夜に、愛した夫を殺してしまいます。それは、最愛の子どもたち3兄妹を夫の暴力から守るためでした。
「もう誰もあんたたちを殴ったりしない。これからは好きなように暮らせる。自由に生きていける」
そんな願いを胸に母親は15年後の再会を誓って、犯した罪を償うために子どもたちの前から姿を消します。そして15年後、事件の日から抱えたこころの傷を隠したまま大人になった次男・雄二(佐藤健)、長男・大樹(鈴木亮平)、長女・園子(松岡茉優)の三兄妹のもとに、母・こはるが帰ってくるのです。自分が願った将来とは違う今を歩む三兄妹、そして母は、再び家族の絆を取り戻すことはできるのでしょうか。