母親になってから、夫との夫婦生活を「なんだか悪いことをしている気分になる」というママは実に多いもの。筆者のカウンセリングでもよく相談を受けます。「二人目が欲しいのに罪悪感から性生活が持てない」「夫婦関係が悪化しかねない」とお悩みの方に向けて、心理的な視点から〝母として感じる罪悪感〟について考えてみたいと思います。

 

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「罪悪感」の根拠はなんですか?


 

カウンセリングの場面で「母親になって〝性欲〟を持つことに罪悪感がある」と多くの方がおっしゃいます。そんなとき筆者は必ず「あなたにとって〝母親〟とはどうあるべきものですか?」と質問してみます。 するとみなさん、言い方はちがっても「無欲で慈悲深く聖母のような存在」というイメージを持っているようなのです。 世間的にも「母親になったら母親業が第一」といった風潮がありますし、「性欲」に罪悪感を持ってしまうというのも、わかる気がします。 でもその「罪悪感の根拠はなんですか?」と聞くと、うまく答えられない人が多いのも事実。「なんのためにそうあるべきか」「どうしてそうありたいのか」と考えることはなかなかなく、「母親の性欲とは好ましくない」と思い込んでいないでしょうか? 筆者は「母親が性欲を持つ」ことは、なにも悪いことではないと考えています。母親も女性であり、ひとりの人間です。人が当たり前に持っている「本能」に罪悪感を持つ理由なんて、どこにもないと思うからです。