赤ちゃん発音の原因となる病気


 

赤ちゃん発音の主な原因は、舌の使い方の未熟さや言葉のインプットの少なさです。このため、適切な訓練を重ねていけば改善していくことがほとんどとされています。 しかし、なかには次のような病気によって、赤ちゃん発音が残ってしまうケースもありますので注意が必要です。

 

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中耳炎

耳の中に炎症が生じる病気です。子どもは耳の構造が未熟なため、風邪をひくと中耳炎になりやすく、ごくありふれた病気です。 しかし適切な治療を行わないと、耳の中の炎症が慢性化して水が溜まったり鼓膜に穴が開いてしまうことも。聴力が低下して言葉の発達に影響を与えることも少なくありません。

●テレビの音を大きくする
●耳をしきりに気にして触る
●特定の方向から呼んでも振り返らない
●体が片方に傾いている

このような症状が見られるときは、慢性的な中耳炎を発症している可能性があります。まずは耳鼻科を受診してみましょう。

 

舌小帯短縮症

舌小帯(舌の裏側に付着しているヒダ)」が生まれつき短い病気です。舌小帯は舌の動きを支える働きをするため、短いと舌をうまく動かすことができなくなります。その結果、赤ちゃん発音が治りにくくなるのです。

●口を大きく開けたまま舌を上あごにつけることができない
●舌を前へ出すとくびれができる
●舌がハート形である

このような症状が見られる場合は、舌小帯短縮症の可能性があります。 軽度な場合はトレーニングで治すこともできますが、改善しない場合は舌小帯を切る治療が必要となります。思い当たる場合は口腔外科や耳鼻科を受診しましょう。

 

文:成田亜希子